1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

吉田輝星の弟擁し6年ぶり夏出場 金足農の「強さと覚悟」を旋風巻き起こした名将が明かす

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月23日 9時26分

吉田輝星の弟擁し6年ぶり夏出場 金足農の「強さと覚悟」を旋風巻き起こした名将が明かす

2018年に大旋風を巻き起こした金足農時代の吉田輝星(C)日刊現代

 甲子園で過去3度の旋風を巻き起こした金足農(秋田)が6年ぶりの夏出場を決めた。

 昨21日の古豪・秋田商との県大会決勝。6-5で迎えた九回2死満塁、吉田輝星(現オリックス)の弟でエースの大輝(2年)が最後の打者をスライダーで空振り三振に打ち取り、マウンドで歓喜の輪をつくった。16安打を浴び、5点を失いながら、9回154球の完投勝利。2018年に吉田輝星を擁して準優勝して以来の大舞台に臨む。最速145キロをマークする大輝は、幼少期から兄の投球を教材にしながら、「兄に負けたくない」という反骨精神を胸に順調に成長を遂げている。

 金足農の伝統芸である小技を駆使した「超スモールベースボール」は健在だ。準決勝の秋田工戦では3度のスクイズを決めるなど、8-0で快勝。この日もバント安打を絡めてスクイズを決めるなど、効果的に得点を重ねた。

 熱闘を繰り広げた試合会場には、嶋崎久美元監督(76)の姿があった。1984年夏、「金農旋風」を巻き起こすなど通算34年間指揮をとり、春夏7度の甲子園に導いた名将は満面の笑みを浮かべて、こう言った。

「準優勝した18年もそうでしたが、金農の伝統である守りからリズムをつくり、バント、スクイズの小技を効果的に決める。これが金農の強さです。他校は肝心なところで小技を仕掛けることができなかった。野球は1点でも多く取れば勝ちですから」

■「吉田大輝がいる3年で甲子園へ」

 嶋崎元監督は昨夏も1カ月間、部員とともに汗を流し、守りと小技の極意を伝授した。昨秋は県大会で優勝し、東北大会ベスト8に進出。今春は県大会で初戦敗退したものの、チームは着実に力をつけている。

「大輝くんが在籍する3年の間に甲子園に行くことができなければ、全国の農業高校は一生、甲子園に行けない……それくらいの気持ちでいました」(嶋崎元監督)

 農業高校の現状は厳しい。文科省の高等学校学科別生徒数・学校数(23年5月度)によれば、農業系の比率は全体の2.4%にとどまり、同系学科を設置する学校は年々減少の一途をたどっている。

 輝星フィーバーに沸いた18年以降、低迷した時期もあった。一昨年には上級生による下級生への暴力事件が発覚。野球部は大いに揺れたものの、昨年、大輝が入学したことも追い風となり、輝きを取り戻した。

 輝星の世代は3年生による9人野球だったが、今年の金足農は3年生中心ながら2年生の大輝がチームを引っ張り、遊撃レギュラーの武藤一斗は1年生。経験と勢いが噛み合う今が旬かもしれない。

  ◇  ◇  ◇

 金足農は 夏の甲子園出場時、「.667」の特異な成績をマークしている。いったいこの数字は何を表すのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください