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ラグビー新生日本代表 直近5試合「1勝4敗」で見えた5つの課題(永田洋光)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月23日 9時26分

■パシフィックネーションズカップに間に合うのか

 ジャパンの次の舞台は、8月下旬から始まるパシフィックネーションズカップ2024(PNC)。

 こちらはワールドラグビーが主催する真剣勝負で、まず21位のカナダ(8月25日)、18位のアメリカ(9月7日)と戦い、2位以内に入れば、決勝ラウンドでフィジー(10位)、サモア(11位)、トンガ(16位)のうち上位2チームと優勝を懸けて戦うことになる。

 今回のチャレンジカップで見極めた素材を厳選して現状のベストチームを編成し、勝利を目指すことになるが、果たして間に合うのか。

 強化に時間のかかるスクラムは、これまでの課題を修正しながら、試合でさらに試行錯誤を積み重ねる以外に有効な強化策がないが、ラインアウトの修正は、オプションをシンプルに絞るなどして比較的短期間で修正が見込める。

 その上で、スコアや相手との力関係を見定めながら、ペナルティを得たときに3点を積み重ねるのか、モールにこだわるのかといった、ゲームコントロールを整理する必要がある。

 MABに勝った試合では、SH斎藤直人が冷静に状況を判断して、攻めどきと3点を狙う場面にメリハリをつけた。斎藤がジョージア戦での危険なプレーでレッドカードを受けて3試合出場停止となったことは痛手だが、ゲームの流れを冷静に見極められるコントローラーを誰にするのかは今後の大きなポイントだ。

 現状では、先発10番を争う松田力也、李承信、山沢拓也の3人が司令塔候補で、MABに勝った試合で10番を務めた山沢が有力だが、まだチームの骨格が定まっておらず、誰が起用されるかは不透明。この間、FB矢崎由高や、イタリア戦で2つの独走トライを挙げたCTBディラン・ライリーなど、勝負所でボールを託すランナーのメドは立ったが、どういうタイミングで超速にギアを上げてトライを獲りに行くのか。どういうオプションで、いつエースにボールを託すのかという仕掛けの部分は、まだ整理されていない。

 つまり、最初から超速にこだわって一本調子にアタックを進めるのではなく、ここぞというときに超速を発揮できるような緩急のゲームコントロールをどう身につけるか……そこにメドが立って初めて、27年W杯での上位進出を目指すジャパンの土台が固まったと言えるのだ。

(永田洋光/スポーツライター)

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