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真夏前に知っておくべき「性感染症」(1)20代女性を中心に梅毒の流行が止まらない

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月23日 9時26分

真夏前に知っておくべき「性感染症」(1)20代女性を中心に梅毒の流行が止まらない

夏は性感染症に気を付けたい(C)日刊ゲンダイ

 梅雨が明け本格的な夏がやってきた。性欲の中枢は体温調節をつかさどる神経などが複雑に絡み合う脳内の視床下部にあるともいわれ、人は気温が高くなると性欲も自然と高まるとの説もある。そのせいか、夏は性犯罪が多いことが知られ、都内の一部医療機関ではED治療薬の売り上げはこの時期に伸びるという。

 夏は夏季休暇で長い休みがあり、夜間活動が増えて開放的な気分になりやすい。ついつい“深い人間関係”になることもある。

 だからこそ注意したいのが性感染症だ。とくに気をつけたいのが近年急増している梅毒。性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」の尾上泰彦院長に聞いた。

「梅毒の新規感染者数はやや頭打ちになっているとはいえ、依然として高い水準で推移しています」

 実際、国立感染症研究所が7月16日公表の感染症発生動向調査週報(IDWR)2024年第27週(7月1~7日)によると、年初からの新規感染者報告数は7101人(うち、東京1813人)。前年同期の7758人(東京1920人)に比べて減少したとはいえ、楽観視できる状態ではない。

「梅毒の新規感染届け出数は2012年までは年間1000件未満でしたが、昨年は約1.5万人と約15倍超になっています。かつての梅毒は男性患者が多かったのですが、いまは新規患者の3分の1が女性で、20代が中心です。東京都のデータでは、女性の新規感染者の83%が20~39歳の女性であり、女性の新規感染者数は直近10年間で40倍に増えています」

 一方、男性は20~50代に多いことがわかっている。

 国内の梅毒症例をみると、性風俗産業の利用歴、従事歴のある人が一定数いることがわかっており、世界的にも性風俗産業従事者(CSW)は梅毒に感染するリスクが高いことが知られている。

「梅毒は別名・花柳病といわれ、かつては性風俗のある歓楽街(花街)でみられる病気でした。そのため、CSW感染者の強制検査・入院などの対策をすれば、ある程度梅毒の広がりを防げました。しかし、最近は、性風俗に籍を置かず、パパ活したり、女性専用風俗を利用したり、複数の人と性交渉をすることに抵抗感のない女性も増えています。そのため、感染経路が以前に比べてわかりにくくなり、近年は花街以外のエリア、地方での感染が増えているのです」

 東京都感染症情報センターのデータによると、2023年の東京都の新規梅毒感染者で0~9歳は5人、10~19歳は20人と報告されている。感染したまま生まれてくる先天性梅毒の患者も目立って増加しており、梅毒の脅威は子供にも及びつつある。

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