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「スピルリナ」はNASAも注目するアフリカや中南米の高栄養食材【時間栄養学的「気になる食品」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月23日 9時26分

「スピルリナ」はNASAも注目するアフリカや中南米の高栄養食材【時間栄養学的「気になる食品」】

(提供写真)

【時間栄養学的「気になる食品」】スピルリナ

 8月4日は管理栄養士や栄養士らが組織する公益社団法人「日本栄養士会」が制定した「栄養の日」です。各地で食育フェスなどのイベントが開催されますが、私が教鞭を執る愛国学園短期大学でも、「おいしく食べて美しく」をテーマに特別イベントを実施します。「炎神戦隊ゴーオンジャー」や、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」などにも出演された、女優兼モデルで発酵料理士の杉本有美さんと私の対談も企画しています。お時間があればぜひ、会場に遊びに来てください。

 さて、今回は「食べて美しく」にピッタリの食材として最近話題のスーパーフード「スピルリナ」をご紹介します。

 スピルリナは、淡水や塩水に生息するミネラルや栄養素が豊富なシアノバクテリア(青緑藻)で、古代文明から現代までその栄養価の高さが注目されています。スピルリナの起源はアフリカや中南米です。古代アステカ文明では、スピルリナを主食として消費していたとされ、その栄養価の高さが重宝されていたそうです。アステカの人々は、湖の表面からスピルリナを収集し、乾燥させてケーキ状にして食べていたとも伝えられています。NASAが宇宙飛行士のために宇宙でスピルリナを育てることができると紹介したことで再び注目を集め、栄養補助食品や健康食品として広く利用されている食品です。

 スプーン1杯(7グラム)の乾燥スピルリナ粉末には、タンパク質(4g)、ビタミンB1(1日基準摂取量の11%)、ビタミンB2(1日基準摂取量の15%)、銅(1日基準摂取量の21%)、鉄(1日基準摂取量の11%)が含まれています。特にスピルリナに含まれるタンパク質は、体で合成することが出来ない必須アミノ酸のバランスが良いとされていて、優れた栄養補給食品といえるでしょう。

 また、スピルリナの主な活性成分であるフィコシアニンは、強力な抗酸化作用と抗炎症作用を持ち、体内の酸化ストレスを軽減し、慢性炎症を抑えるのに役立つとされています。スピルリナの摂取が筋力や筋持久力の向上に役立つこともわかっているので、運動前に摂取することでパフォーマンスアップに役立ちそうですね。

 スピルリナを用いた研究は多岐にわたります。悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させ、善玉コレステロールを増加させることが研究で示され、高血圧の方の血圧を正常に保つ効果も報告されています。

 2型糖尿病患者を対象とした実験でも、空腹時血糖値を著しく低下させることが示されています。1日2gのスピルリナを摂取することで、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状を改善する効果があることもわかっています。さらには高齢者を対象としたものにはなりますが、スピルリナ摂取が赤血球に含まれるヘモグロビンを増加させ、貧血の症状を改善することも示されています。

 さまざまな健康効果のあるスピルリナは、粉末やタブレットなどで販売されているので、スムージーに混ぜたり、ヨーグルトに加えたり、サラダに振りかけたりすることで、手軽に栄養価を高めることができるでしょう。ただし、禁忌がある場合もあるので、不安な方は摂取する量など療専門家に相談してみてください。

(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)

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