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全英OPで牙をむいた「リンクス」での必須条件…イメージ通りの攻め方がまったく通用しなくなる(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 9時26分

全英OPで牙をむいた「リンクス」での必須条件…イメージ通りの攻め方がまったく通用しなくなる(羽川豊)

松山英樹(C)ロイター

 ゴルフで最も難しいのは強風下でのプレーです。全英オープンの舞台となるスコットランドのリンクスは特有の重い風が吹き、強さも一定しません。時折、突風となり、スタート時間によって風向きも大きく変わります。

 硬く起伏の激しいフェアウエーに着弾したナイスショットが深いラフまで転がり、グリーンに乗ったボールは深いポットバンカーに吸い込まれる。心が折れそうになることは一度や二度ではありません。雨が降れば気温が下がり、指先を守らなければかじかんでしまう。まさに四重苦、五重苦のゴルフを「我慢比べ」とはよく言ったものです。

 今年の大会は、リンクスに慣れているはずの北アイルランド出身のR・マキロイをはじめ、世界ランキングトップ10の選手の半分が予選敗退。初日のマキロイの「これまで経験したことがない風が吹いていた」というコメントが象徴的でした。

 バック9のほとんどが逆風になった3日目は、238ヤードの17番パー3でドライバーを使う選手がいたり、前日までウエッジでピンを狙っていたホールで5番アイアンを持たされる。練習ラウンドでイメージした攻め方がまったく通用しなくなるのがリンクスの怖さであり、おもしろさとも言えます。

 全英開催コースの中でも3指に入る難コースのロイヤルトゥルーンGCが、ひとたび牙をむけばこの通りですが、思い通りのゴルフができないからといって選手は白旗をあげるわけにはいきません。過去の経験だけでは通用しませんから、できることに全力を注ぎ、頭を使うしかない。

 まず、「入れたら1罰打」と言われるポットバンカーだけは絶対に避けたい。ポットバンカーは約5ヤード横に落ちたボールはほとんど傾斜で転がり落ちるようになっている。例えば、右からの強い横風のホールでフェアウエーの両サイドにポットバンカーがあれば、ターゲットを右に20ヤード以上はずらす。

 追い風の中でグリーンを狙う際は、手前10ヤードに置くつもりでいい。たとえ10ヤード以上のアプローチが残っても、ウエッジではなく、8番アイアンやパターを使って転がして寄せる手もある。

 強風が吹き荒れるリンクスでは、低弾道やスピン量を抑えたショットだけではどうにもならない。毎日、毎ホール、想像力を働かせるプレーが求められるわけですが、これがゴルフの神髄とも言えます。

 日本勢は8人が出場し、松山英樹だけが決勝へ進み、通算12オーバー66位でした。本人は不本意でしょうが、どんな状況でも4日間戦うことは大事なことです。これだけの悪条件が揃った中での戦いであれば、気持ちの切り替えは難しくないはずです。

 パリ五輪の男子ゴルフは日本時間8月1日が初日です。会場の「ル・ゴルフ・ナショナル」も難コースと聞きますが、ここまで過酷ではないでしょう。松山には東京五輪でメダルを逃した悔しさをぜひとも晴らして欲しいものです。

  ◇  ◇  ◇

 そんな松山だが、、サウジアラビア政府系資金をバックにした「LIVゴルフ」への電撃移籍が現実味を帯びている。いったいどういうことなのか。

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