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真夏前に知っておくべき「性感染症」(2)梅毒を疑ったら3週間後に血液検査を

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 9時26分

真夏前に知っておくべき「性感染症」(2)梅毒を疑ったら3週間後に血液検査を

感染を疑ったらすぐに受診することが大事(C)日刊ゲンダイ

 そもそも梅毒とはどんな病気なのか? 性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」の尾上泰彦院長が言う。

「梅毒は梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌性の性感染症です。病名は症状に見られる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。この病原菌は粘膜で感染するため、性器だけでなく、口腔性交でのど、肛門性交で直腸などにも感染します」

 感染すると数週間の潜伏期間を経て全身症状を引き起こす。感染からの経過時間と症状により早期顕症梅毒Ⅰ期とⅡ期、晩期顕症梅毒に分かれる。

 Ⅰ期は、感染から3カ月くらいまでの期間で、梅毒トレポネーマの侵入口となった陰部、口唇、口腔内、肛門周辺などに硬いシコリ、びらん、潰瘍、リンパ節の腫れなどの症状があらわれる。Ⅱ期は感染後3カ月以降の期間に、顔や手足などに1~2センチ大の淡く赤い斑点ができ、しばらくすると自然消滅するが、また小豆大ほどの赤褐色や赤銅色の盛り上がりが体のあちこちにできるという。

「赤い斑点はいわゆるバラ疹と呼ばれる無痛性の紅斑で、ほかに発熱、倦怠感、全身性リンパ節腫脹などさまざまな全身症状がみられます。こちらもしばらくすると自然消滅します。しかし、そのまま無治療で3年以上経過すると、骨や筋肉や皮膚にゴムのような腫物ができると晩期顕症梅毒となります。さらに無治療で10年以上経過すると脊髄病変による手足のマヒ、心臓や血管の病気、目の梅毒による失明など重篤な病気を引き起こすことになります」

 治療法が発達した今ではそのようなケースをみることはめったにないが、梅毒は偽装の達人ともいわれるほど、多くの症状があらわれる。例えばバラ疹をじんましんやアレルギー性皮膚炎と勘違いしたり、症状が自然消滅したから治ったと勘違いする人も多いという。そんな梅毒感染の有無は血液検査で簡単にわかる。厄介なのは感染から3週間以内だと正確な判断ができないことだ。

「梅毒リスクが疑われる性交渉をしてすぐに血液検査をして陰性であっても、さらに3週間後にもう一度検査して調べる必要があります。感染から3~6週間も経ってから検査に行く人は少ないため、梅毒は見逃され、感染が広がることになるのです。ですから梅毒と診断されたら、必ず性交したパートナーに連絡して梅毒の診断と治療を受けるよう連絡する必要があります。現在の感染拡大はこうした気遣いのなさにも一因があるのです」

 梅毒で大事なことは感染を疑ったら、恥ずかしがらずに医療機関に行き、血液検査することだ。幸い梅毒の治療はペニシリンが有効で、早期顕症梅毒なら、ペニシリン系の経口抗菌薬を4週間程度飲み続けるか、1回の持続性ペニシリン注射剤で治療は完了する。梅毒を疑ったら恥ずかしがらずにすぐに受診することだ。

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