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戦死したロシア軍参加の29歳元自衛官は義勇兵か傭兵か…ロ軍/ウクライナ軍それぞれの懐事情

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 10時48分

戦死したロシア軍参加の29歳元自衛官は義勇兵か傭兵か…ロ軍/ウクライナ軍それぞれの懐事情

ウクライナドネツク州で砲撃するロシア軍(C)Sputnik/共同通信イメージズ

 衝撃的なニュースが飛び込んできた。2年半近くウクライナ侵攻を続けるロシア軍に加わった元自衛官が戦地で命を落としたというのだ。「義勇兵」として戦闘に参加したと報じられているが、国際法違反の軍事侵攻になぜ身を投じたのか。ナゾは深まるばかりだ。

 林官房長官は23日の会見で、ロシア軍に20代の邦人男性が兵士として加わり、6月3日に死亡したと公表。日本側は今月15日に男性の死亡を確認した。外務省は個人情報保護を理由に、男性の氏名や出身地、死亡した場所、状況を明らかにしていない。

 一方、関係者の話を総合すると、戦死したのは大阪府内に住む元自衛官(29)。かつて陸上自衛隊信太山駐屯地(大阪府和泉市)に勤務していて、昨年11月ごろに出国してロシア軍に参加し、ウクライナ東部ドネツク州で爆風などに巻き込まれて死亡したという。プーチン大統領は2022年9月にドネツクを含む4州の編入を発表し、憲法にも自国領土として書き込んだが、ドネツクの占領は半分程度にとどまり、激戦地となっている。

「ロシアは邦人死亡に関する情報を一切公表しておらず、メディアでも全く報じられていません」(筑波大名誉教授の中村逸郎氏=ロシア政治)

■「ネオナチの脅威」に大義?

 信念を持って自発的に軍に入るのが義勇兵、金銭を動機に雇われるのが傭兵だとされる。元自衛官はプーチンの言う「ネオナチの脅威」に大義を見いだしたのか。しかし、少なくとも6万人のロシア兵の命を奪ったウクライナ侵攻に対する国内世論は厳しく、兵員補充はままならない。

「報酬は時期やリクルート先によって変動があり、国内で短期の兵役契約をした新兵の手当は月17万ルーブル(約30万円)程度。外国人の場合は出身地などによって月20万~30万ルーブル(約35万~53万円)ほど」(地元メディア関係者)

 ウクライナ軍はどうなのか。報道カメラマンの横田徹氏が日本人義勇兵に取材し、集英社オンラインに寄せた記事によると、「初任給は日本円で7万円」。前線手当などを上乗せされれば月収30万~40万円ほどになるという。防衛省発表の自衛官の平均年収は20代前半が約374万円、後半は428万円だ。

「中国に見放され、新体制になったイランからも距離を置かれ始めたプーチン氏は孤立を深めている。ロシア兵の遺体回収すらままならない状況で、邦人死亡を確認できたとしたら奇跡的です。この件をとっかかりに、日本との関係正常化を狙っているのではないか」(中村逸郎氏)

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