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充血を取る目薬を常用していると充血が一層ひどくなる【一生見える目をつくる】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月25日 9時26分

充血を取る目薬を常用していると充血が一層ひどくなる【一生見える目をつくる】

繰り返すと血管がどんどん太くなっていく

【一生見える目をつくる】#23

「目の充血を取る目薬の常用はやめてください」──前回、そうお話ししました。

「充血を取る」とパッケージに記された目薬には、白目の血管を収縮する塩酸テトラヒドロゾリンという物質が入っている。その物質の働きで、差した瞬間に血管がきゅっと収縮し、白目が瞬時に真っ白になるんですね。

 ですが、きゅっと収縮した血管平滑筋(血管壁の筋肉)は、戻るときには少し弛緩した状態で戻る。それを繰り返すと、血管がどんどん太くなっていくんです。充血を取る目薬を常用している人は、薬の効果が切れると点眼前より強く充血した目になってしまいます。

「充血を取る目薬を差していても効果がないんです」といって、私のクリニックを受診する患者さんは少なくありません。そうおっしゃる患者さんの目を診察すると、「充血を取る目薬を常用している方だな」とすぐにわかります。

 顕微鏡を通して見ると、目の中の血管がどこか不自然にたるんでいるからです。使用していない患者さんの血管を顕微鏡で見ると、パンとして張りがある。これが普通の状態です。

 また、目の毛細血管にも違いがあります。常用している患者さんの目は、顕微鏡で見ても毛細血管がまったく見えません。本来毛細血管は、のぞいた瞬間に無数に見えるものなのに、です。

 なぜそうなってしまったか。白目の血管を収縮する物質の影響で、毛細血管が見えないぐらいに縮んでしまっているからなんですね。

 ここまで読んで「充血を取る目薬を使っているけど、どうしよう」と不安に思った方がいらっしゃるかもしれません。心配な方は、眼科に行き「充血で悩んでいる」こと、「充血を取る市販の目薬を点眼している(どのぐらいの期間点眼したかも具体的に)」ことを相談してください。

 私の場合、そういった患者さんにはまず充血を取る目薬の点眼を中止してもらいます。その代わりに、2時間に1度点眼するタイプの点眼薬を1カ月分処方して使ってもらい、1カ月後に再受診してもらって目をチェックするようにしています。

 ただ、決して脅かすわけではないのですが、そういった目薬を1年以上常に使い続けている患者さんが充血を根本的に治すためには時間がかかります。1年以上、長いと2~3年かかることも。充血については次回もお話ししたいと思います。

(荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)

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