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足の痛みからほかの病気が発覚するケースはあるのでしょうか?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月25日 9時26分

足の痛みからほかの病気が発覚するケースはあるのでしょうか?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

思いがけない病気が見つかるケースも

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#28

 足に痛みがあると、骨や筋肉の異常だと思い込み、安静に過ごしていれば自然に治ると考えている方もいるでしょう。しかし、足の痛みから全身の思いがけない病気が見つかるケースも少なくありません。

 東北地方に住む60代の男性は、足の痛みで近所の整形外科を受診したところ、レントゲン画像では異常がないと言われ処方された痛み止めを飲んで過ごしていたそうです。日が経つにつれて足の痛みは悪化し、普段10分で移動できる距離で痛みが強いと1時間もかかるように。「もしかしたら下肢の血管の病気かもしれない」と受診した循環器内科で下肢の血流検査をしても原因が分からず、家族の勧めで当院を受診されました。

 初診時に足を見ると赤紫がかった網目状の「網状皮斑」が足に広がっていて、これは血管内の循環が悪くなることで生じます。中でも骨髄増殖性腫瘍で骨髄の中にある造血細胞が増殖すると、血液中の細胞(白血球)の数も増加し、白血球数が病的に増えることで粘度が高まって血液はドロドロになりやすくなります。とりわけ足の血管は心臓から最も離れているので、血管が細く詰まりやすいのです。

 そして、骨髄増殖性腫瘍は、ほとんどの場合で急性白血病を引き起こすことが知られています。

 前出の男性に血液検査を行ったところ、通常4000~9000/マイクロリットルとされる白血球の基準値に対して、2万/マイクロリットルであったことから、白血病の疑いが高いと診断しました。

 この方のように、足の痛みの背後に重大な病気が隠れている場合、足の症状を内科・外科関係なく総合的に診察できる医師を受診しなければ、診断が遅れて治療が手遅れになる危険が高い。

 足に症状が現れる病気はいくつかあります。がんの治療後に起こりやすいリンパ浮腫、腎臓病や肝臓病の初期では足がむくんだり、糖尿病であれば糖尿病性神経障害による足のしびれの症状が見られます。

 ほかにも膠原(こうげん)病のひとつである限局性強皮症は、手や足、体幹など一部の皮膚が硬くなり、その箇所に痛みや変形が生じるケースも多い。以前、「足の靴ずれが痛く、3カ月経っても治らない」と受診され、膠原病かどうか調べる抗核抗体検査で陽性と判定された方もいます。単なる足の痛みだと自己判断しないことが大切です。

(田中里佳/順天堂医院足の疾患センター長)

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