1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

トランプ“大統領”が対日関係で早くも影響力発揮…円安ドル高を「大きな問題」と口出し(中西文行)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月26日 9時26分

トランプ“大統領”が対日関係で早くも影響力発揮…円安ドル高を「大きな問題」と口出し(中西文行)

もしかしたら救世主?(トランプ前米大統領)/(C)ロイター

【経済ニュースの核心】

 米大統領の就任式では宣誓の時に聖書を用いる。大統領は右手を掲げつつ左手を聖書に置き、「神に誓って(So help me God)」と宣誓するのが慣例。トランプ前大統領は就任式で2つの聖書を用いた。1つはリンカーンの聖書、1つは母から贈られた自分の聖書で、それを重ねて就任宣誓を行った。リンカーンの聖書を用いた理由を聞かれ「彼はあの時代に誰もができなかった偉大なことをしたから」と応じた。いまもこれがトランプ氏の信条だろう。

「IN GOD WE TRUST」は、米国の公式な国家標語。日本語で「われわれは神を信じる」という意味。この標語は、1864年に最初に米ドルの硬貨に印字されたが、公式な標語となったのは1956年である。この標語は、リンカーンが勝利した南北戦争で大きな役割を果たしたので、アメリカ合衆国の硬貨に大きく表記されたという。

 外務省によれば、米国の宗教は、プロテスタント(40%)、カトリック(20%)、その他(9%)、無宗教(28%)、無回答(2%)と神を信じる国民が多い(出所:米国シンクタンクのピュー・リサーチ・センターによる2023年調査)から、共産党の中国とは「水と油」だ。

 トランプ氏暗殺未遂の銃撃事件、米国でも「判官贔屓」で共和党員の結束が高まり、トランプ氏は「神に選ばれた大統領候補」となった。トランプ氏について、信奉者らは長年、米国を救うために神に選ばれたと主張してきたが、暗殺未遂事件を間一髪で生き延びて以降、トランプ氏を「救世主」とあがめる熱狂は新たな高みに達している。

■大統領になっていないのに…

 トランプ氏は、7月16日配信の米ブルームバーグ通信のインタビューで、米国がドル高により「大きな問題を抱えている」「対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」と指摘。米国の輸出企業にとって「すさまじい負担だ」との懸念を示した。その上で、米国製自動車の輸入が進まず、対米貿易黒字を抱える日本に対し「不作法だ」と不満を漏らした。大統領になっていないのに、為替市場は円高に振れ、早くも影響力を発揮した。

 米国では連日、上場企業の決算が発表されている。日本でも今週から四半期決算の発表が本格化、25日に日産自動車、キヤノン、26日に信越化学工業、キーエンスなどが発表予定。夏休みシーズンだが、投資家、市場関係者は決算内容の精査に加え、パリオリンピック観戦もあり、休む暇はないだろう。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください