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真夏前に知っておくべき「性感染症」(4)日本最多の性感染症「クラミジア」は不妊症の原因

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月26日 9時26分

真夏前に知っておくべき「性感染症」(4)日本最多の性感染症「クラミジア」は不妊症の原因

女性は骨盤腹膜炎も(提供写真)

 日本で最も患者数が多い性感染症が「性器クラミジア」だ。2016年の2万4397人(定点観測医療機関数985カ所)から22年には3万136人(同983カ所)と急増している。性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」の尾上泰彦院長が言う。

「クラミジア・トラコマチスと呼ばれる細菌の一種が病原体で、粘膜接触で感染します。感染経路は膣性交による尿道や子宮頚管、オーラルセックスでの咽頭、肛門性交による直腸への感染が多い。1回の性交での感染率が30~50%と高いうえ、感染の自覚症状は男性で50%、女性は20~30%しかないため感染に気づきにくく、感染者が新たな感染源となることが感染者数が多くなる原因だとされています」

 感染すると、男性は尿道炎、女性は子宮頚管炎、男女ともに咽頭炎を発症しやすい。

「男性の尿道炎の場合は、感染から1~3週間後に水っぽい白い分泌物が出て尿道にかゆみや不快感、排尿痛などが現れます。症状が軽いからと放っておくと精巣上体炎を起こす恐れがあり、男性不妊の原因になる可能性があります。女性の子宮頚管炎ではおりものが増え、下腹部痛、不正出血、排尿痛、性交痛などの症状が出ることが多い。病原体が子宮のさらに奥に進み、卵管炎、内膜炎、骨盤腹膜炎、肝周囲炎などを発症することもあります。卵子と精子が融合して着床する子宮内膜や卵子と精子の通り道である卵管に炎症があると着床や移動ができなくなり、不妊につながるのです」

 治療は抗生物質の飲み薬で治るが、クラミジアに限らず性感染症は人間関係を壊すこともある。それが怖いところだ。

「昔、子宝に恵まれなかった奥さまがいて、妊活に励んでおられました。数年たって奥さまは不調を感じ、『妊娠ではないか』と思ったそうです。そこで旦那さんに内緒で産婦人科で診てもらったところ、妊娠と同時にクラミジアが見つかりました。感染源は旦那さんです。会社で嫌なことがあり、酔っぱらった勢いで夜の街で遊んで感染したようです。その治療のため、旦那さんは私の患者さんになったのです。旦那さんは『自覚症状もなかったので、感染していたなんて思ってもみなかった。わかっていたら治療が終わるまで大切な妻と夜の営みなんてするものですか』とおっしゃっていました」

 幸い、この夫婦はその後の話し合いで離婚は回避できたが、多くのカップルが性感染症により関係が壊れている。

 ある著名なAV男優はプライベートでも、相手に性感染症がないことの証明を確認してから性行動を楽しむという。理性より本能が勝りがちな夏だからこそ、理性的で慎重な行動が必要だ。(おわり)

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