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自分は幸運と思えば幸運な結果を、不運と思えば不運な結果を招く【科学が証明!ストレス解消法】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月26日 9時26分

自分は幸運と思えば幸運な結果を、不運と思えば不運な結果を招く【科学が証明!ストレス解消法】

運気という池は誰の前にも平等に存在している(C)日刊ゲンダイ

【科学が証明!ストレス解消法】#175

 私の新刊である「世界の研究101から導いた 科学的に運気を上げる方法」が発売されました。

 タイトルが示す通り、「運」について考えた一冊となっていますので、日ごろから「自分はツイていないな」などと考えがちの方は、ぜひお手に取っていただけるとうれしいです。

 私は、「運気」は池で、「運」が魚だととらえています。大原則として、運気という池は誰の前にも平等に存在しています。

 そもそも池に行き、そこに釣り糸を垂らすというチャレンジをする人の方が運の魚を釣り上げる確率が高まります。ですから、運気を上げたければ、まず釣り糸を垂らすという行動を起こすことが大切です。

 そして、自分で釣り糸を垂らすにしても、適当に糸を投げるよりも、魚がいそうな場所を狙って投げる方がよい釣果になりますし、技術や道具選びによっても釣れる確率は上げられます。

 運気を科学的に考えると、主に「統計学」と「心理学」の話に落とし込めます。運気の池に効果的に釣り糸を垂らすためにどうアクションをしていくか、そして結果(つまり、釣れた魚や釣れなかった事実)をどう受け止めるか……どういう心持ちでいるかということです。

 以前にもこのコラムで紹介した、ケルン大学のダミッシュらの研究チームが行った実験(2010年)は最たる例でしょう。

 参加者全員にパターゴルフをしてもらい、半数の人だけに「あなたの打つボールはラッキーボールです」と知らせ、打ってもらう。

 すると、ラッキーボールと告げられた半数の人のカップイン率は10球中平均6.75回、対して告げられなかった人たちは10球中平均4.75回でした。

 ラッキーボールと告げられた人たちの方が、カップイン率が35%もアップしたことからも分かるように、「自分は運がいい」と思い込むだけで、結果は違ってくるんですね。

 こうした幸運と不運に関する実験や調査は多く、中でもハートフォードシャー大学のワイズマンは、数多くの研究を行っています。

 たとえば、自分を幸運と思う人と、不運と思う人を集め、両方に新聞を渡し、その中に写真が何枚あるかを探させるという実験(03年)を行っています。

 実はこの新聞、ページの半分を占めるスペースに、高さ2インチを超える大きな活字で、「これを見たと実験者に言えば250ポンド(=約5万円)がもらえる」というメッセージが書かれており、実験の意図するところは写真を探すのではなく、このメッセージに気が付くことができるかというものでした。その結果、不運と思っている人ほど気付くことができなかったという結果が明らかになったそうです。

 ワイズマンは、「人々は運の原因をほとんど洞察していないが、彼らの思考と行動が幸運と不運の大部分を担っていることが明らかになった」と説明しています。視野が狭く行動力に乏しいと、釣れていたかもしれない魚を取り逃がしてしまうということ。「自分はツイていない」と嘆く前に、変えられることはたくさんあります。生まれながらに運が悪い人なんていないのです。

(堀田秀吾/明治大学教授、言語学者)

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