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猫ひろしさんが振り返る カンボジア代表で2016年リオ五輪男子マラソン出場の経緯と感激【その日その瞬間】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 9時26分

猫ひろしさんが振り返る カンボジア代表で2016年リオ五輪男子マラソン出場の経緯と感激【その日その瞬間】

プノンペン国際ハーフマラソンで3位(提供写真)

【その日その瞬間】

 猫ひろしさん(お笑い芸人/46歳)

 いよいよパリ五輪が開幕だが、お笑い芸人の猫ひろしさんはカンボジア国籍で8年前に男子マラソンに出場したれっきとした元五輪選手。その経緯と五輪出場の感激を語ってくれた。

  ◇  ◇  ◇

 一番のターニングポイントだったレースは国籍を変えると決めた大会です。2010年12月のアンコールワット国際ハーフマラソンです。

 マラソンを始めるきっかけは、ホリエモン(堀江貴文)さんのネット番組に出演した時。経営者や芸人がホリエモンさんからアイデアをもらう企画で、僕のときは「猫ひろし再生計画」というタイトル。選挙に出るとか東大を受けるなどたくさん考えてくれた話題づくりの案の中に「足が速いから国籍を変えて五輪をめざす」があったんです。面白いと思って「やります!」と即宣言。

 とはいえ、国籍を変えるなんて簡単にできるはずもなく、2年くらい話が進まない。でも、その間にマラソンのタイムは上がっていったんです。ホリエモンさんのスタッフの方がカンボジアでホテルをやっていて、親身になって現地のレースに呼んでくれました。

「ハーフマラソンで3位に入れたら、カンボジア国籍を取りませんか」とその方の提案で出場。それ以下なら国籍取得はやめようと言われ、走ってみたら3位になれたんです。その瞬間「五輪を目指そう!」と。それから何があろうと国籍を変更して五輪を目指すというのを決めました。

 その後はカンボジアの五輪委員会にコンタクトをとったり、東京マラソンやカンボジアのレースに積極的に出場。12年の別府大分毎日マラソンで当時のカンボジアの1位のタイムを抜き、その年のロンドン五輪出場が一時決まりました。

■批判も多くてロンドン五輪は断念

 でも、そこから批判が大きくなり、マスコミに追われる日々。そのうち雲行きが怪しくなってきて。国籍を変えてから1年以上の居住実績がないと出場できないというIAAF(国際陸上競技連盟)に新しい規則ができて、出場できなくなりました。

 練習中にコーチから告げられた瞬間、多少覚悟はしていたものの、やはりショックで……。その夜、頭を整理するためにマラソンをやったんです。夜から深夜にかけて40キロ。そして出した結論は「ここでマラソンをやめるのはおかしい。これじゃ笑いものだ。五輪に出る出ないは関係なくカンボジア人としてマラソンを続けよう!」でした。

「4年後を目指すんでしょ?」と聞いてくる方もいましたが、当時で35歳ですよ。もう難しいとは思いました。でも、悔しいからそれまでの練習量を1日30キロから31キロに増やしました。大して増えてないと思うかもしれませんが、1年だと365キロ違う。その練習量を続けてカンボジアのレースで1位をとり続け、4年後にリオ五輪の出場権を獲得しました。

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