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横浜高の落とし穴…決勝に5人出場、「スーパー1年生」に依存し過ぎたのではないか(小倉清一郎)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 9時26分

横浜高の落とし穴…決勝に5人出場、「スーパー1年生」に依存し過ぎたのではないか(小倉清一郎)

2年連続決勝で敗れた横浜は無念だろうが…(C)日刊ゲンダイ

【松坂、筒香を育てた小倉清一郎 鬼の秘伝書】#204

 24日の神奈川大会決勝後にゲンダイの取材を受けた。「結果論」になってしまうが、古巣・横浜の結果は気になるから、言わせてもらう。

 東海大相模が横浜を6-4で下し、5年ぶりの夏の甲子園出場を決めた。原俊介監督は東海大静岡翔洋から2021年に東海大相模に移って以来、春夏通じて初の甲子園となった。元巨人のドラ1捕手で注目していたが、采配も選手起用もスキがなくなってきた。

 プロ注目の198センチ左腕・藤田琉生(3年)、2年生でMAX150キロ右腕・福田拓翔の2枚看板は甲子園でも戦えるが、福田に関しては、打者がそれほど球速を感じていないように見える。恐らく回転数が少ないから、球に伸びがないのだ。

 2年連続で神奈川の決勝で敗退した横浜は、古巣だけにあまり語りたくはないが、5人出場した1年生に依存し過ぎたのではないか。

「スーパー1年生」と騒がれた織田翔希が2番手でマウンドに上がり、同点にされた直後の六回には小野舜友が左翼線へ2点適時打を放ち、一時は勝ち越した。遊撃手の池田聖摩は八回にリリーフしたものの、痛打を浴びた。プレッシャーに負けたのではないか。彼らに実力があるのは事実でも、負担が大き過ぎた気がするのだ。

 古くは「バンビ」と言われた東邦・坂本佳一さん、早実・荒木大輔さんらが「怪物1年生」と騒がれたが、1年生からエースとしてチームを牽引したのは神奈川では横浜の愛甲猛くらいのもの。1年生が夏の大会からチームの要になるほど高校野球は甘くない。ただし、織田は2年後のドラフト1位指名もあり得る好素材。これから大切に育てて欲しい。

 横浜で今秋ドラフト候補に挙がる椎木卿五は「3番・捕手」で出場し、サイクル安打を達成したことは立派である。それなのになぜ勝てなかったのか。

 キーマンと思っていた2年生主将で1番に入った阿部葉太は5打数1安打。能力があるし、期待をしているから、あえて厳しいことを言えば、椎木の前を打つ阿部がもっと出塁していたら、勝利の確率は上がっていたのではないか。

 神奈川の夏の大会を振り返ると、昨夏全国優勝の慶応が5回戦で桐蔭学園に敗れたのは予想通り。その桐蔭学園も守備が乱れて8強で敗退。自力のある2校の決勝も予想通りだった。決勝は「横浜有利だが、流れ次第では負ける可能性もある」と思っていた。

 昨夏の神奈川大会決勝は“疑惑の判定”があって慶応に悔しい逆転負け。横浜の村田浩明監督は、2年続けて逆転で甲子園出場を逃したことを教訓にして欲しい。一方、苦労してきた東海大相模の原監督にとっては初の甲子園。大いに暴れてもらいたい。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

  ◇  ◇  ◇

 日刊ゲンダイでは元横浜高校野球部部長の小倉清一郎氏と専大松戸の持丸修一監督をコラムを毎週交互に連載。【関連記事】にはそれらをピックアップしている。

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