若年性認知症でも仕事を続けたい…どこに相談すればいい?【介護の不安は解消できる】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 9時26分
![若年性認知症でも仕事を続けたい…どこに相談すればいい?【介護の不安は解消できる】](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/gendainet/gendainet_1062717_0-small.jpg)
できていること、サポートが必要なことを整理
【介護の不安は解消できる】
若年性認知症と診断された方や、そのご家族が抱える悩みに多いのが「仕事の継続」です。65歳未満の働き盛りに発症するため、仕事を辞めると収入がなくなり家のローンや子供の学費など、家計に大きなダメージをもたらします。実際、厚労省が2020年に発表した調査によると、若年性認知症の発症により、収入が減少した人は全体の6割を超え、4割は家計の苦しさを自覚しています。
若年性認知症は、高齢で発症する認知症と同様に、物忘れなど認知機能の低下や物事の手順が分からなくなる実行機能障害が見られます。そのため、新しい業務の内容を覚えたり、これまで何年も行ってきた業務であっても、手順が分からなくなり作業の効率が低下しやすくなるのです。
仕事のミスが目立つようになると、職場の上司や同僚から「どこまで仕事をフォローすればいいのか」「本人のサポートに時間を取られ自分の業務に手が回らない」といった声が上がり、本人が仕事を続けたいと思っていても、職場に居づらさを感じて休職や退職に追い込まれるケースが少なくありません。前出の調査では若年性認知症の発症時に就労していた人のうち、約7割は診断後に退職していたと報告されています。
ジョブコーチ(職場適応援助者)への相談もお勧め
若年性認知症と診断された場合、まずは自分ができていることと、周囲のサポートが必要なことを自身で整理する必要があります。ただ、診断直後は本人だけでなく、家族も病気や将来に対する不安や焦りが強く、家族だけでは冷静な状況判断が難しいものです。若年性認知症に関する医療や福祉、就労などの悩みや困り事の相談に対して解決に向けた支援を行う「若年性認知症支援コーディネーター」に間に入ってもらい、病気の受け止めや、仕事における可能、不可能を一緒に整理してもらってください。
さらに、障害のある人と企業の両者に対して、就労サポートを行う「ジョブコーチ(職場適応援助者)」支援を利用して、今の部署で働き続けられるのか、それとも部署転換して就労の継続ができるかどうか代わりに相談を依頼するのもお勧めです。
以前、当法人で就労に関する相談を受けた方の中にも、若年性認知症支援コーディネーターやジョブコーチを利用して、営業職から総務のサポートや、工場の製造ラインから事務職など部署転換によって仕事を継続されている方が多くいます。
どちらも相談は無料です。まずは近隣の認知症疾患医療センターで若年性認知症支援コーディネーターを紹介してもらうといいでしょう。
▽川内潤(かわうち・じゅん)上智大学文学部社会福祉学科卒業。老人ホーム紹介事業、外資系コンサル会社、在宅・施設介護職員を経て、2008年に市民団体「となりのかいご」設立。14年に「となりのかいご」をNPO法人化、代表理事に就任。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
emol、強迫症と社交不安症の疾患啓発を目的とした無料アプリ「フアシル」をリリース。過度な潔癖症や確認行為、あがり症、人見知りの人を対象とし、それらの不安への理解と対応の普及を目指す
PR TIMES / 2024年7月18日 12時45分
-
認知症の父が母の介護ベッドを壊すほど怒った訳 「すぐキレる」症状にどんな言葉掛けが必要か?
東洋経済オンライン / 2024年7月14日 8時50分
-
「認知症」で銀行口座凍結!やれば安心の準備は? 「後見人制度」もあるけど、デメリットも多い
東洋経済オンライン / 2024年7月9日 9時30分
-
友だちの叔父さんは、財産を「後見人」が管理しているそうです。資産家なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月6日 0時0分
-
「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査」を発表 精神障害者と働くことで、上司・同僚の約7割が前向きな意識変化を実感
PR TIMES / 2024年6月29日 22時40分
ランキング
-
1「大谷翔平の新居バレ報道」は誰の責任なのか…アナウンサーに「謝罪係」を背負わせるテレビ局の特殊体質
プレジデントオンライン / 2024年7月25日 10時30分
-
2マクドナルドで行列は当たり前…は昔の話。「一切並ばず食事する方法」使わないのはあまりに損
女子SPA! / 2024年7月28日 8時45分
-
3妻への「別にいいけど」はケンカの火種でしかない 夏休みは「家庭内の不適切発言」を回避する機会
東洋経済オンライン / 2024年7月29日 8時0分
-
4トランプ氏がもし撃たれていたら? AR-15銃の恐怖の殺傷力(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 9時26分
-
5「キウイ」実はあまり知られていない最強の食べ方 「栄養素充足率スコアNo.1」強みを享受するには
東洋経済オンライン / 2024年7月28日 15時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)