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「ヤマブシタケ」認知機能改善や神経保護に役立つ“幻のキノコ”【時間栄養学的「気になる食品」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 9時26分

「ヤマブシタケ」認知機能改善や神経保護に役立つ“幻のキノコ”【時間栄養学的「気になる食品」】

ヤマブシダケ(C)日刊ゲンダイ

【時間栄養学的「気になる食品」】

 ヤマブシタケは、古代中国や日本の伝統医学で広く使用されてきました。中国では「神のキノコ」として知られ、四大珍味にあげられるほど。日本でも、山伏(ヤマブシ)という修行僧たちが精神集中のためにこのキノコを食用してきた記録があります。

 古くから、森の中での発見が難しく幻のキノコとも言われてきたそうです。名前もヤマブシが着る衣装に似た外観に由来しているのですね。また、長い白い針状の突起がライオンのたてがみを彷彿とさせることから、英語では「Lion's Mane(ライオンズマネー)」という名称が付けられています。

 収穫は8~11月で、いまはまさに旬のはしり。温暖な地域では冬や春にも見つかることもありますが、主に落葉広葉樹の枯れ木や倒木に生息し、オーク、ブナ、カエデの木などでよく見られるそうです。成熟すると黄味がかった色に変わって風味が落ちるため、収穫する際には若くて白い状態のものを選ぶのがベスト!

 そんなヤマブシタケには、エリナシン、ヘリセノンといった栄養素が含まれていて、これらが認知機能の改善や神経保護に役立つことが報告されています。研究では、神経成長因子(NGF)の生成を促進し、脳細胞の再生をサポートすることが示されています。この効果により、特にアルツハイマー病や認知症をはじめとした神経変性疾患の予防に役立つ可能性があるのです。NGFは集中力や記憶力の向上につながるため、日中に活動的な場面でのパフォーマンスを高めることにもなります。

 いつ摂取するべきかについての具体的なエビデンスはまだないですが、効果を得るには長期間の摂取が大切であることはわかっています。

 その他にも、ヤマブシタケに含まれる、β-グルカンは特に免疫機能の強化や抗炎症作用で知られています。β-グルカンが免疫細胞を活性化し、体の防御反応を強化することで、感染症からの回復を助ける可能性があると報告されています。また、ヤマブシタケ由来のβ-グルカンは、抗酸化作用が強いので、細胞の損傷を防ぐことも助けてくれるのです。β-グルカンは水に溶けやすい水溶性食物繊維で、朝に撮ることで腸内環境が改善することがわかっています。

 一般的なキノコのようにソテーやローストに使われるほか、乾燥した形でお茶やスープに利用することも出来ます。また、カプセルやパウダー状サプリ、機能性食品も人気で、コーヒーやエリクサーとして販売もされています。ご自身のライフスタイルに合った形で摂ってみてはいかがでしょうか。

(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)

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