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ホテル三日月が「エビの陸上養殖」スタートさせ注目!海外での消費量急増に対応

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月30日 9時26分

ホテル三日月が「エビの陸上養殖」スタートさせ注目!海外での消費量急増に対応

輸入量は減少(C)日刊ゲンダイ

 日本人は世界で有数のエビを食べる国民だ。2023年の1世帯当たりのエビ消費量は1.3キロ(総務省家計調査年報)、日本全体の消費量は23万トンを超える。

 だが消費するエビの90%以上はインド、ベトナムなど海外からの輸入に頼り、23年の輸入量は14万1110トン(財務省貿易統計)。国内の生産はわずか1万2500トン余りだ。90年代には年間30万トンを超え、世界の取引の半分以上を占めたが、今や輸入量は当時の半分以下に落ち込んでいる。

「中国、米国など海外の消費量が急増し買い付け価格が急騰、われわれ日本側のオファーでは円安も絡み太刀打ちできない状況です。確保できるエビの数量は毎年減ってきています」(大手エビ輸入問屋幹部)

 こうしたなか、国内リゾートホテルが初めて自前でエビを生産する「エビの陸上養殖事業」が注目されている。木更津を本社とするホテル三日月(小高芳宗社長)は、世界的なサステナブルリゾートを目指す「サステナブルリゾート化計画」の第1弾として、ホテルの敷地内で、バナメイエビとクルマエビの陸上養殖を4月18日から開始している。

 陸上養殖の支援をしているのは「Seaside Consulting」(平野雄晟・平野彩共同代表、千葉県安房郡鋸南町)と、エンザイム(鈴木邦威会長、東京都大田区)。木更津市内のホテル三日月の駐車場敷地内にビニールハウス2連棟(560平方メートル)を新設し、直径5メートル×水深0.8メートルの水槽10基のうち5基にクルマエビとバナメイエビをそれぞれ入れ育てている。Seasideの平野彩代表が言う。

「いま泳いでいるのは4月に入れたクルマエビ5万匹と5月に入れたバナメイエビ5万匹でいずれも国産です。化学薬品は使わずすべて無添加で育てています。施設のサイズに限りがあり全て大きくするのは難しいので、すでにクルマエビは5センチに育っているので、間引きしてすでに出荷しています」

 同社の設立は17年。鋸南町の農業ハウスを活用してバナメイエビの養殖を始めたのは21年。約20万匹の稚エビの無添加での飼育に成功し販売が開始された。

 農地の転用でのエビの陸上養殖は全国でも例がない。ブランド名「Bianca」として関東近県の回転ずしやネット販売、コンサルタント業も広げている。

 ホテル三日月ではこの秋から宿泊客用にバナメイエビのメニューを加えていく予定という。「サステナブルリゾート化計画」の一環でスタートした陸上養殖エビは「新たな資源の創出」「自産自消」の実現と共に「木更津プチプリエビ」のブランドでホテル三日月から日本・世界の食卓においしいエビを安定供給することを目指すという。

(ジャーナリスト・木野活明)

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