やけどをしてしまったら…流水で冷やし、体に張り付いた衣服は脱がさないこと【災害時の応急処置】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月30日 9時26分
水ぶくれは破ってはいけない(C)iStock
災害大国日本では、台風、大雨、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火など、ひんぱんに大きな災害が起きる。1月1日の能登半島地震では、死者299人、負傷者1327人(7月18日現在・総務省消防庁発表)の人的被害があった。
「大きな地震が発生する確率は高いと言われていますし、たとえば今日、首都直下地震が起こってもおかしくありません」と警鐘を鳴らすのは、救急のスペシャリストである東京消防庁救急部の上曽一永消防司令補だ。
災害が起きれば、自身や家族がケガを負うリスクは大いにある。幸いにも自らは無傷だったとしても、見知らぬ人から助けを求められる場合もあるだろう。そんな時には応急処置が重要だ。まず知っておきたいのはやけどの対処方法。基本は衣服の上からでも速やかに水道の流水で冷やすことだという。
「水を患部に直接当てるのではなく、少し上から流し当てるようにするといいでしょう。単純に、やけどしたところに直接流水が当たると痛いですからね」
水ぶくれは破ってはいけない
災害時には水道が止まることも多い。冷やせない時にはどうしたらいいのだろうか。
「清潔な状態を保つのが重要です。できるだけ清潔なタオル等で覆うことが必要です。やけどの範囲が広い場合には、たとえば登山の防寒用として使うようなアルミシートで患部を覆うと、感染を防ぐとともに保温により体温の低下を防ぐことができます。家庭用のアルミホイルでもいいでしょう」
そう話すのは、同じく東京消防庁救急部の木村和巳消防司令だ。
「もうひとつ注意していただきたいのは、衣服が体に張り付いている場合です。無理に脱がそうとすると、皮膚が一緒にめくれてしまう可能性があります。冷やす場合も、衣服の上から水をかけるようにしてください。あとは、体温を下げすぎないこと。特に冬場は冷やしすぎてしまうと低体温となったり、氷や氷水で冷却するとやけどが悪化する危険もあります」
さらに気をつけるべきは、水ぶくれができた場合には破らないようにそっと冷却すること。水ぶくれには傷口を保護する役割があるからだ。また、同じく感染防止のため、患部にアロエや味噌などを塗ってはいけない。
今すぐできるやけど対策として、軽量コンパクトな防寒シート(エマージェンシーシート)や100円均一ショップでも購入できるアルミシートを用意しておくといいだろう。
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