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「初老ジャパン」約1世紀ぶりの快挙!馬術代表コーチが日刊ゲンダイだけに明かした「勝因」とは… 団体で初メダル

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月30日 8時15分

「初老ジャパン」約1世紀ぶりの快挙!馬術代表コーチが日刊ゲンダイだけに明かした「勝因」とは… 団体で初メダル

総合馬術団体の戸本(C)共同通信社

【パリ五輪】総合馬術団体

 人馬一体となった「初老ジャパン」が、パリのベルサイユ宮殿でおよそ1世紀ぶりの快挙を成し遂げた。

 29日に行われたパリ五輪総合馬術団体で銅メダルを獲得。日本勢が五輪の馬術でメダルを手にしたのは、1932年ロス五輪以来。硫黄島で非業の死を遂げたバロン西こと西竹一が障害飛越で金メダルを獲得してから実に92年ぶり2つ目、団体では初だ。

 馬術競技は馬場、障害、総合の3種類からなる個人種目と、3人の出場選手全員の得点が反映される団体がある。

 96年アトランタ五輪で総合団体6位入賞に貢献し、00年シドニー五輪にも出場した日本代表の土屋毅明コーチは、競技についてこう解説する。

「馬場は美しさや正確さを競います。フィギュアスケートで言うところのSPですね。障害は障害物を落とさないことが求められる。総合はその2つに加えて、クロスカントリーの要素もある。屋外で9分間走るため、馬の体力作りや健康管理にも気を遣わなくてはいけません」

 総合馬術に出場した4人の平均年齢は41.5歳。48歳の大岩義明を筆頭に、41歳の戸本一真、38歳の北島隆三、39歳の田中利幸(リザーバー)。昭和生まれの中年世代だ。前出の土屋コーチが言う。

「代表の根岸監督が『初老ジャパンだな』と言って名前が決まりました(笑)。馬術は経験が重視される競技。40歳前後が一番、脂が乗った年齢と言われます。他国にも稀に若い選手がいますが、主力は大体30歳以上です」

 日本勢がメダルを獲得するまで、1世紀近くを要したわけだが、今回の勝因は何か。

「馬術競技は欧州に伝統があり、大会の多くが欧州に集中しています。日本を拠点にしていると、人も馬も遠征が必要となり、多くの費用がかかってしまう。そこがネックでした。今回、総合馬術に出場した4人は、いずれも英国に10年近く住み、鍛錬に努めてきました。技術的な面でも、馬術は欧州が一番ですからね」(土屋コーチ)

 もともと馬術団体は、21年東京大会のメダル獲得を目標にしていたが、コロナ禍による1年延期やルール変更などもあり、苦戦を強いられた。

 そんな中、戸本は東京大会の個人総合馬術で日本人の最高記録で4位入賞を果たすなど、馬術の火を絶やすことはなかった。

「パリに向けては、とにかく技術の研鑽に励み、英国で合宿も行いました。五輪前には、パリ五輪にはジャッジとして参加しないものの、欧州の大会でジャッジ経験がある審判を招き、彼らの前で馬術を披露。『ここはこうした方がいい』などと本番で役立つ様々なアドバイスを貰い、パリに入りました」(土屋コーチ)

 初日、2日目を終えた時点で日本は3位だったが、最終日の障害馬術を前に、北島の馬が馬体検査をクリアできず、20点減点。一度は順位を5位に落としながらも銅メダルを手繰り寄せた。

 人馬一体の地道な強化策が、花の都で結実した。

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