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“顔パス”でキセル繰り返す…京都市営地下鉄職員と駅務区長が払った大きな代償

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月31日 9時26分

“顔パス”でキセル繰り返す…京都市営地下鉄職員と駅務区長が払った大きな代償

味を占めた職員Aは無賃乗車を続け、こともあろうに上司は…(写真は、京都市営地下鉄東西線)/(C)共同通信社

「お疲れさま。通るで~」

 京都市交通局の男性職員A(27)は顔見知りの同僚にこう断り、勤務する市営地下鉄で「キセル」を繰り返していた。

 もともと東西線「六地蔵駅」の駅で勤務していた職員Aは、異動先の車掌研修のため、勤務地が烏丸線「竹田駅」に変更になった。研修初日の5月9日、勤務を終えると、竹田駅で改札担当の駅職員と立ち話をした後、改札を通らず、そのまま駅構内に入場。地下鉄に乗り込み、乗り継ぎのため下車した京都駅では駅職員に「ゴメン、通してな」などと声を掛け、運賃260円を払わずに出場した。

 これに味を占めた職員Aは、翌10日から28日までの間に計9回、無賃乗車を行った。

「通常、職員は駅勤務から車掌を経て運転士へとキャリアアップしていきます。職員Aは前日まで駅勤務でした。利用する京都駅か竹田駅で、同僚か後輩が改札業務に従事しているタイミングを選んで無賃乗車をしていた。顔見知りの職員がいない時は、回数券で入場していました」(京都市交通局職員課担当者)

 IC乗車券で入場することもあったが、その場合は改札担当の駅職員に「間違えて入ってしまった」とウソをつき、入場記録を取り消させ、有人改札を通過していた。職員Aの「タダ乗り」を見逃していた駅職員9人は、男性職員が「交通局職員であるため、当然、定期券を所持している」と思い込み、提示を求めなかったという。

■事情を聴いた駅務区長が隠蔽工作

 職員Aが定期券を提示しないことを3回目撃した駅職員が不審に思い、上司にあたる男性職員B(57)に報告して不正が発覚した。ところが職員Aから事情を聴いた職員Bはあろうことか、「無札通過をした際は定期券を所持していたことにしよう」と提案し、隠蔽工作を図った。

「駅務区長の職員Bは直接の上司にはあたりませんが、駅職員だった職員Aのことはよく知っていた。まだ若く、将来があることから職員Aの身を案じ、守ってあげたいと思った。『無賃乗車じゃないということにすれば事態を収められるんじゃないか』と考え、防犯カメラの映像を確認した職員に『定期を持っていたらしい』と報告。映像を再確認した職員から『定期券を持っていたとは思えない』『使用は疑わしい』と指摘され、これ以上、隠蔽することは困難と判断。あわせて事の重大さを自覚したことから、自ら一部始終を所属長に報告した」(前出の市交通局職員課担当者)

 京都市は職員Aを懲戒免職とし、職員Bを減給処分にした。職員Aは運賃相当額及び割増運賃の7020円を弁済。市は刑事告訴を検討している。

 地下鉄代をケチったばかりに警察にまで突き出されるとは、払った代償はあまりにも大きい。

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