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ダイドーリミテッドは物言う株主に抵抗し、総会直前に急きょ経営陣を入れ替えた(有森隆)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月31日 9時26分

ダイドーリミテッドは物言う株主に抵抗し、総会直前に急きょ経営陣を入れ替えた(有森隆)

日本で「ブルックスブラザーズ」を展開(C)日刊ゲンダイ

【企業深層研究】ダイドーリミテッド(上)

 6月は3月決算会社の株主総会の季節であった。6月の株主総会でアクティビスト(物言う株主)から株主提案を受けた会社数は年々増えており、2024年6月は、3年続けて最多の91社に達した(三井住友信託銀行調べ)。

 株主提案を受けた企業のなかには、株主総会直前に経営陣を総入れ替えした会社も現れた。経営陣はアクティビストとの直接対決を放棄し、“助け人”に経営を委ねた例もある。

 衣料品ブランド「ニューヨーカー」や「ブルックスブラザーズ」を展開する中堅アパレルのダイドーリミテッド(東証スタンダード上場)は5月24日、経営陣の刷新を表明した。コンサルティング会社、ジェミニストラテジーグループ(東京・千代田区)の山田政弘氏を代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)、成瀬功一郎氏を社長兼最高執行責任者(COO)の候補として提案した。鍋割宰社長ら現経営陣は退く。

 旧村上ファンド出身の丸木強氏が率いるストラテジックキャピタル(以下・SCと略)は4月17日、鍋割社長らが経営を主導している間は業績や株価が低迷し続けていると批判、経営陣の総退陣と独自取締役候補6人の選任を求め、株主提案を行うと発表した。

 SCの発表資料によると、取締役候補は元ブルックスブラザーズ最高財務責任者(CFO)の中山俊彦氏、元オンワード樫山社長・会長で現在、業界団体の役員を務める大澤道雄氏。中山氏は社長就任を予定し、ほか5人は社外取締役候補だ。

 SCの取締役候補が明らかになるとダイドーの経営陣に衝撃が走った。ブルックスブラザーズ、オンワード樫山はともにダイドーと密接な関係にあったからだ。

 衣料ブランド「ブルックスブラザーズ」を国際展開していた米ブルックスブラザーズグループは、20年に米連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻した。そのため、ダイドーとの合弁会社だった日本法人は、ダイドーが出資比率を引き上げて連結子会社に組み入れていた。

 オンワード樫山(現・オンワードホールディングス)との関係は深い。両社は04年に資本・業務提携。06年にオンワードからダイドーに社長を派遣。07年にオンワードはダイドーの保有株比率を高めて持ち分法適用会社にした。以来、ダイドーの副社長はオンワード出身者の指定席となった。

 株式市場では株式持ち合いは「悪しき慣習」として解消する動きが加速している。オンワードは持ち合い株の解消を進めており、23年2月、200万株をダイドーが取得し、オンワードの持ち分法適用会社から外れた。

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