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パットに悩む西郷真央は「大爆発」をまぐれにしてはいけない。「バニスター効果」で飛躍に期待(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月1日 9時26分

パットに悩む西郷真央は「大爆発」をまぐれにしてはいけない。「バニスター効果」で飛躍に期待(羽川豊)

最終日も69で回ったが…(C)共同通信社

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 パッティングとは悩ましいものです。直径4.25インチ(108ミリ)のカップまでの距離と同時に、傾斜やラインを読み、タッチを合わせる。グリーンの速さは芝質や芝目、天候、時間によっても変わります。その日の調子によって「穴」は大きく見えたり、小さく見えたりもする。50センチのパットがカップに触れず外れることも珍しいことではありません。

 今季から米女子ツアーに参戦している西郷真央(22)は、そのパッティングに苦しんでいます。前々週までのスタッツを見ると、フェアウエーキープ率74.6%(39位)、パーオン率73%(3位)に対し、平均パット数は30.2(107位)。グリーン上で苦戦していることは数字にも表れていますが、まるで別人だったのが、前週のCPKC女子オープン3日目。ショットが冴えて、パットもおもしろいように決まり、1イーグル9バーディーの61。パット数は23でした。

 通算8アンダーで迎えた最終日はトップに5打差の3位タイから発進。3月の朴セリ選手権など、優勝を狙える位置にいながら最終日にスコアを伸ばせなかったことが何度かあり、今回は外せない難しいパットをどれだけカップインできるか、その点に注目していました。

 ところが、1番パー5の第1打を左のバンカーに入れてしまい、2メートルのパーパットを外し、いきなりつまずいたのは痛かった。その後は盛り返してスコアを3つ伸ばすも、前日とは打って変わり2~3メートルのパットをいくつか外し、通算11アンダーは優勝したL・コフリンから2打差の2位に終わりました。

 とはいえ、最後まで優勝争いに絡んだ経験は大きい。緊張感のある試合を繰り返し、集中した1打はメンタルを強くします。17番のアプローチやミスパットの原因を分析し、次につなげる作業を怠らないことです。

 西郷はツアールーキーですが、新人の意識はないでしょう。心理学に「バニスター効果」というものがあります。「それは不可能だ」と思っていたことを誰かが成功させると、心理的な障害が取り除かれ、「自分にもできる」という意識に変わる。今季は笹生優花(23)や古江彩佳(24)がビッグタイトルを手にし、渋野日向子(25)や山下美夢有(22)もメジャーで2位の好成績を残しました。刺激にならないわけがありません。

 今の日本選手に海外メジャーの優勝はもはや夢ではない。西郷は、パットさえ決まればビッグスコアは出るし、優勝を狙えるチャンスが巡ってくることを実感したでしょう。これからの試合がとても楽しみです。

(羽川豊/プロゴルファー)

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