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現役世代も熱中症には要注意! “隠れ脱水”の放置がピンチを招く

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月1日 9時26分

「発症した日の朝は、寝汗が特にひどかった。その日までは、どうにも朝までエアコンをつけっ放しにすることに抵抗があって、寝る前に寝室を冷やしたら2時間くらいでタイマーで切れる設定にしていたんです。で、その日は午後2時から友人家族とBBQをする予定だったので、シャワーを浴びたら、軽くサンドイッチをつまんで会場に向かいました。そこはビルの屋上で直射日光を防げるルーフつき。外は炎天下でも、BBQスペースとしては快適な条件で友人と一緒にビールを飲んでいたら、だんだん目が回ってきて、酔ったのかなと思ってイスに座って休み、その後は飲み食いできる状態ではなく、一足先に帰宅すると、吐き気もしてきて、どうにもならなくなり、救急車を呼んだら、熱中症でした」

 Bさんの失敗はどこにあるのか。

「寝汗とアルコール、そして直射日光を避けたといっても身近にある熱源でしょう。サンドイッチと一緒に多少の水分は取っているのでしょうが、寝汗の量によっては賄い切れなかったかもしれません。仮にその水分摂取がコーヒーだと、利尿作用があるので、結果としては逆効果。その状態でBBQをしながら、アルコールを飲めば、より体の水分が奪われるし、コンロの火で発汗量も多かったはずです」(米山氏)

 前述した体の水分バランスにおいて、流出分のひとつとして不感蒸泄がある。発汗とは区別して、無自覚に皮膚や吐く息で蒸散する水分を指す。その1日分の総量は一般に900ミリリットルとされ、皮膚から600ミリリットル、呼気から300ミリリットルだが、条件によって大きく変動する。運動すれば呼吸が荒くなって呼気分が増えるし、発熱すれば皮膚分が増える。睡眠中もBBQ中も、不感蒸泄が増えた可能性はあるだろう。そこにアルコールの脱水作用などが加わると、ダブルパンチだ。

 寝汗で脱水した状態からBBQに向かうのと同じような状況は、よくある。たとえば、昼飲みするのも、サウナやプールに出かけるのもそうだ。昼飲みは説明不要だろうが、サウナは脱水そのものだし、気持ちよさを感じるプールも運動や直射日光の影響でやはり脱水につながる。どれも、現役世代が「まぁ、大丈夫」と考えれば選択肢としてチョイスされやすい行動だ。それが水分補給の遅れを生み、悲劇を生むこともある。当然、こまめな水分補給が対策だが、コツがある。

「のどが渇いていなくても、時間と量を決めて必ず飲むことがひとつ。この時季は1日最低2リットルで、営業など体を動かす仕事なら1日3リットルでもいいでしょう。もうひとつは、食事のときは、いつもよりやや濃いめの味つけで塩分を取ることです。汗で塩分が流出すると体の塩分濃度が下がって、体温調節がうまくいきにくくなりますから」(米山氏)

 熱中症予防は、自分の感覚に頼らず、先手先手が無難だ。

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