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充血対策の目薬の長期使用でさらに充血…改善にはかなりの期間が必要【一生見える目をつくる】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月1日 9時26分

充血対策の目薬の長期使用でさらに充血…改善にはかなりの期間が必要【一生見える目をつくる】

「充血している」と誤解していることも…

【一生見える目をつくる】#24

「充血を取る」とパッケージなどに記載された目薬を1年以上常に使い続けている患者さんが、根本的に充血を治すためには時間がかかります。1年以上、長いと2~3年かかることも。

「長期間、充血を取る目薬を使用している」と話す患者さんには、まず充血を取る目薬の使用を中止してもらいます。そして、2時間ごとに点眼するタイプのドライアイ用の点眼薬を1カ月分処方します。1カ月後に再受診してもらって目をチェックするようにしていますが、1カ月では効果がはっきりと出ない患者さんは多いです。

 私は「長年充血を取る目薬を使用されてきたことで、血管収縮剤によって毛細血管が太くなってしまっているので、元に戻るには時間がかかります」と治療の最初に説明しますし、根気が必要だとも伝えます。

 ところが、この説明をきちんと患者さんに行わない医師もいる。そうなると患者さんは「全然治らないじゃないか」と不安になってしまう。そのうち「2時間に1回、目薬を点眼するのが面倒」となり、「手っ取り早いから」と充血を取る目薬に戻っていく──こういう方は多いです。

 けれども、それでは根本的な解決にはなりません。「すぐには治らないかも」という認識を持ち、医師から処方された点眼薬を正しい方法で使用して治療に取り組んでほしいと思っています。

 なお、充血についてですが、一言で充血といっても実はいろいろな種類があります。一般的に言う「白目の充血」は、眼科医の間では球結膜充血と呼ばれます。その他にも瞼の裏側が充血する瞼結膜充血や黒目の周りの毛細血管が多くなる毛様充血などがあります。

 また、黒目(角膜)は本来血管のない組織ですが、コンタクトレンズの不適切な使用により、新生血管(モヤモヤ血管と呼ばれることもある、異常な血管)が角膜に侵入してくるパンヌスという充血もあります。

 これはコンタクトレンズの長時間装用などにより、角膜が酸素不足になることが原因。血管の中の酸素で補おうと、角膜に血管が伸びて入ってくるのです。消退させるにはコンタクトレンズの装用を中止すればいいのですが、完全になくなるには数年かかる時もあります。

 多くの患者さんが悩む充血。けれども、患者さんが「充血してる」と誤解しているだけで、実はそうではないケースもあります。

(荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)

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