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体操レジェンドが断言「金銭的に夢がある競技ではない」…男子個人総合Vも「報奨金ガッポリ」は無理筋か

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月1日 9時13分

体操レジェンドが断言「金銭的に夢がある競技ではない」…男子個人総合Vも「報奨金ガッポリ」は無理筋か

体操男子個人総合で金メダルを獲得した岡慎之介(C)共同通信社

【パリ五輪】体操男子個人総合

 29日の団体金メダルに続き、体操男子日本代表が2度目の快挙を成し遂げた。

 31日に行われた個人総合決勝。今大会が五輪デビューとなった岡慎之介(20)が、団体メダルに続いて個人でも金メダルに輝いた。

 岡山県出身で、地元の関西高校に進学するも、体操に集中するため中退し、通信教育のある星槎国際高に転校。高校在学中から体操の強豪・徳洲会クラブに所属し、現在は星槎大在学中だ。2021年東京大会の選考会に出場するもケガで落選。22年には右足の前十字靭帯断裂の大ケガを負いながら、復活を遂げた。

 この日は6種目、いずれもミスなくレベルの高い演技で、86.832点の高得点。それでも本人は「ノーミスでやり切るのが一番の目標だった。(最後の鉄棒は)ホントにポイントだけを抑えて、後は冷静にと。中途半端な演技はせず、感謝の演技をしようと思った」と、淡々とした口ぶりで振り返った。

 連覇が期待された橋本大輝(22)は6位に終わったものの、12年ロンドン大会から続く個人総合4連覇を果たした体操ニッポン。しかし、これだけ活躍しても、体操選手は金銭的には恵まれているとは言い難いのも事実だ。

■岡には1100万円の報奨金が出るが…

 岡は今回の団体金と個人総合金で、JOCから500万円×2の1000万円、日本体操協会から50万円×2の100万円の計1100万円の報奨金が出る。橋本ら他の選手は団体金の500万円を手にするが、JOCの金額は五輪出場選手に共通したもの。開幕前に国際陸連が金メダリストに5万ドル(約750万円)の独自賞金を出すことを決定して物議を醸したが、国際体操連盟の渡辺会長はパリ五輪前、「今後も報奨金は出さない」と明言している。日本体操協会も22、23年度と2年連続赤字を計上するなど、財政は苦しい。そう簡単に選手に還元するわけにはいかないのだ。

 所属企業のボーナスはどうか。たとえば柔道の場合は、金メダルで2000万円とも3000万円ともいわれるボーナスを支給する会社もあると言うが、あくまでマイナースポーツの体操ではそんな景気のいい話は聞こえてこない。岡と杉野を除く橋本、谷川、萱の3人はセントラルスポーツに所属しているものの、メジャースポーツの柔道のようなカネを望むのは酷だろう。

 88年ソウル、92年バルセロナ五輪の体操で計4つのメダルを獲得した体操界のレジェンド池谷幸雄氏が言う。

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