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突き刺さっている異物をうかつに抜いてはいけない【災害時の応急処置】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月2日 9時26分

突き刺さっている異物をうかつに抜いてはいけない【災害時の応急処置】

災害はいつ発生してもおかしくないのでさまざな心構えを

 災害時のケガとして、想定しておくべきなのが異物による「刺し傷」だ。東京消防庁救急部の上曽一永消防司令補はこう話す。

「細かいガラスや小さなクギが刺さった場合、できる限り取り除いて、すみやかに傷口を流水で洗って清潔な状態にします。やっぱり一番怖いのは感染症です。もし傷口から出血しているようでしたら、上からガーゼ布などを当てて強く押して止血してください。細い棒のようなものが内臓に刺さっていたり、太い血管に刺さっているような場合は、それによって出血が止まっている可能性があります。うかつに抜いてしまうと出血がひどくなるかもしれませんので、救急隊や医療従事者が来るまで、なるべくそのままの状態を保つようにしてください」

 突き刺さっている異物を抜いていいのかどうか、一般人が判断することは難しい。なぜなら、そこに太い血管が通っているのか通っていないのかわからないからだ。

 また、擦り傷などは破傷風などの感染症の恐れがあるため、できるだけ清潔な水で洗い流す必要がある。水がない場合は、ガーゼなどで傷口を覆い、清潔に保つようにする。ガーゼがなければ食品用ラップやビニール袋、衣服などで代用してもいい。できるだけ清潔に保ち、さらなる感染を防ぐことが目的だ。

応急処置は「それ以上悪化させない」ためのもの

「ケガの応急処置は、病院に行くまで“つなげる”ためのものであって、それを行えば治るというものではなく、『それ以上悪化させない』ためのものです。応急処置をすることで、自分自身やケガをされた方の苦痛が少しでも軽減されればいい」

 そう話すのは、同じく東京消防庁の木村和巳消防司令(同㊧)だ。

「人口の多い東京都では、災害時にわれわれのような消防や救急隊、いわゆる公助がみなさんのもとに行ける可能性は高くないと思います。ですから、自助や共助がとりわけ必要になってきます。なるべく多くの方が応急処置の知識を持ち、災害に備えていただくことが重要です」

 首都直下地震はいつ発生してもおかしくないとされる。いざという時のために、さまざまな備えを心がけておきたい。 (おわり)

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