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柔道男子100キロ級連覇ならず涙…ウルフアロンが失意に暮れて、引退を考えた東京の夜

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月2日 7時20分

柔道男子100キロ級連覇ならず涙…ウルフアロンが失意に暮れて、引退を考えた東京の夜

白の柔道着がウルフアロン(C)共同通信社

【パリ五輪】柔道男子100キロ級

 あの井上康生も果たせなかった柔道男子100キロ級連覇に挑んだ東京大会金メダリストのウルフアロン(28)が、敗者復活戦で一本負けを喫し、メダルを逃した。

「一度はやめようとした柔道ではあったんですけど…」

 試合直後、思わず涙をこぼしたウルフは昨年12月、失意に暮れた。

 グランドスラム・東京。パリ五輪代表最終選考の場として臨んだ大一番は、敗者復活戦で涙を呑んだ。

 準々決勝は過去に敗れた相手にリベンジを挑んだ。研究に研究を重ね、思い描いた通りの試合運びをしながら、技ありの取り消しもあって延長の末に畳に沈んだ。続く敗者復活戦にも敗れ、パリ大会出場が絶望的になった。

「もういいよ…」

 試合後、控室でいつになく落ち込むウルフの姿に、「チームウルフ」のスタッフは、心の糸が切れかけていると察知した。

 このまま柔道を辞めてしまうーー。

 複数のスタッフと友人でウルフを食事に誘い、とことん励ました。

「今日は惜しかった。準々決勝に勝っていれば、優勝できた」

「試合運びは間違っていなかった。次に対戦したら勝てる。ここから一気に眠っていた力が爆発するはずだ」

 周囲の激励もあって、ウルフの目の色は明らかに変わったという。

「ウルフは五輪出場を目指すのは、パリで最後にすると決心しました。以前は、ロス五輪も…という思いもありましたけど、パリで一区切り、と覚悟を決めたことで気持ちが吹っ切れたのでしょう。心身ともに充実して、一気に状態を上げていきました」(関係者)

 大会2日後から練習を再開。年末年始はほぼ休みなく、練習場とジムに通い、自らを追い込んだ。今年2月のグランドスラム・パリの優勝でようやく代表切符を掴んだ。

 東京大会後、柔道の普及のために多くのメディアに露出した。持ち前の軽妙なトークでバラエティ番組にも出演。「芸能人になったのか」と批判を浴びることもあったが、本人は「僕の影響で柔道を始めた、という話を聞くとうれしいし、応援してくれる人の方が多いですね。どうしても批判的な意見が目立ってしまっているだけで。肯定する人ってあえて肯定しないし、批判的な人が批判をしている。僕がこういう活動をすることでプラスになることの方が100%多いと思っています」と、信念は揺るがなかった。

 講演会や柔道教室の依頼も積極的に引き受けた。服装に指定がなければ、柔道着や日本代表のジャージを着て、子どもたちと一緒に汗を流した。

 22年2月からは芸能活動に区切りをつけ、柔道に専念したが、イバラの道が待ち受けていた。

 練習中のケガでリハビリを余儀なくされたり、コロナに感染して海外の大会に出場できないアクシデントに見舞われたり…。紆余曲折がありながらも東京大会覇者としての意地を見せ、2大会連続出場を決めたが、連覇の壁は厚かった。

 ウルフは「僕の柔道人生の集大成にしたい大会でした。後悔はない。自分のなかでできることを最大限やって畳の上に上がることができた。やり残しをして負けたっていう風な気持ちにはならない」と言った。10月には柔道界を盛り上げるべく、佐賀国体の「一般」の部に出場する予定だという。

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