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「奇跡の女」が見据える「奇跡の続き」…鈴木聡美が競泳史上最年長33歳にして200m平泳ぎ4位!

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月2日 7時20分

「奇跡の女」が見据える「奇跡の続き」…鈴木聡美が競泳史上最年長33歳にして200m平泳ぎ4位!

鈴木聡美(C)共同通信社

【パリ五輪】競泳女子200m平泳ぎ

 日本競泳史上最年長で五輪切符を手にした鈴木聡美(33)の奇跡は終わっていなかった。

 2日の200メートル平泳ぎで銅メダルを獲得したスハウテンに1秒49差の4位と大健闘。3個のメダルを獲得した2012年ロンドン大会以来となる決勝レースを2分22秒54のタイムで泳ぎ切り、今なお進化する泳ぎを世界に見せつけた。

 前日の準決勝のタイムは2分23秒54で決勝進出者の最下位。

「正直、怖かったです。なぜ、私(が決勝進出)なんだ、と不安だった。200メートルは苦手意識があり、心細かった」

 極度の緊張に襲われながら、そこは経験豊富なベテランだ。

「選考会(2分23秒09)より速く泳ぐという最低限の目標は達成できた。自分に拍手です」

 と、会心の泳ぎに笑顔を見せた。

 12年ロンドン大会で3度も表彰台に立ったものの、16年リオ大会ではメダルなしの惨敗。21年の東京大会では代表入りすら逃した。

「にもかかわらず、昨年7月に平泳ぎ100メートルで14年ぶりに自己ベストを更新。信じられません」

 とは、五輪4大会連続出場で計4個のメダルを手にした松田丈志氏。自身が32歳で現役を引退しているだけに、32歳になって自己記録を更新する鈴木を「奇跡」と表現していたが、2大会ぶりの五輪本番で4位は「さらなる奇跡」と言っていいだろう。

 開幕前、松田氏は日刊ゲンダイの取材にこう言っていた。

「奇跡の理由は3つ考えられます。1つ目は山梨学院大という水中も陸上も非常にタフな練習をするチームで、高校卒業後から今もそこに身を置いて学生たちと一緒にハードなトレーニングをしているので、フィジカルの基礎がしっかりと積まれているということ」

「2つ目は精神的な部分で、昨年、福岡の世界水泳に選ばれて、地元の人から大歓声をもらって泳げたことで、もう1回頑張ろうという気持ちに火をつけたんじゃないか」

「3つ目は、あの年齢で泳ぎを進化させてきたこと。今の水泳界の平泳ぎのトレンド『ピッチ泳法』を取り入れたのです。アダム・ピーティーという英国の選手(男子50、100メートル平泳ぎの世界記録保持者)が作り上げた、とにかくテンポで押す泳ぎ方で、これまでの大きくかいて伸ばすイメージとは対照的にテンポ良くどんどんかいていくやり方。それで彼は世界記録を取りました。鈴木は33歳でその世界のトレンドの泳ぎにアジャストしてきた。この3つが揃って自己ベストにつながりましたよね」

 年齢的にパリが最後の五輪と思われたが、鈴木はレース後、こう言った。

「決勝に残れて素晴らしい経験ができた。しかも、4位まで順位を上げられた。もう少し狙っていいんじゃないかという向上意識が芽生えた。許される限りはやりたい。大会が終わったらコーチと相談します」

 鈴木の奇跡にはまだ続きがありそうだ。

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