《誤審ピック》に世界中がブーイング! 柔道以外でも不可解判定相次ぎ「AI審判」待望論
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月2日 7時37分
無念の反則負けを喫した柔道女子78キロ級の高山莉加(C)共同通信社
ネットなどでは「誤審ピック」という造語が話題になっている。
開催中のパリ五輪で連日のように問題となっている誤審騒動。昨1日も疑惑の判定があった。高山莉加(29)が、無念の反則負けを喫した、柔道女子78キロ級の準々決勝だ。
開始わずか15秒でなぜか相手のワグナー(ドイツ)ともども指導を取られると、中盤には守りに入るワグナーを攻め続けていた高山に再び指導が入った。そして終盤、首抜きによる3つ目の指導を食らい敗戦。3位決定戦にも敗れ、2012年ロンドン大会から「21日連続」で獲得していた日本の柔道メダルがついに途切れた。
27日に男子60キロ級の永山竜樹(28)が「待て」を無視した相手による締め技一本負けを喫してからというもの、柔道における誤審疑惑は日常茶飯事。29日の男子73キロ級の橋本壮市(32)、30日の女子63キロ級の高市未来(30)、31日の女子70キロ級の新添左季(28)も、不可解な指導の被害者だ。
おかしな判定は柔道だけではない。日本が強豪フランス相手に90ー94と善戦した31日の男子バスケでは、八村塁(26)の2つ目のアンスポーツマンライクファウル、河村勇輝が終盤に取られたファウルは、いずれも「誤審ではないか」ともっぱら。世界中のバスケファンの間でも、判定に首を傾げる者が少なくないという。
■五輪競技の審判はプロばかりではない
海外勢も判定への不満を隠していない。男子バレーではアルゼンチンが31日の日本戦での判定を不服として何度も抗議。29日の柔道女子57キロ級でも、指導3つで金メダルに輝いた出口クリスタ(カナダ)が、勝者ながら納得できないといった表情やコメント。敗れた韓国チームは怒り心頭だった。さらにイタリア柔道連盟は複数の判定について、国際柔道連盟に正式に抗議をした。
スポーツライターの小林信也氏はこう話す。
「スポーツは審判の権力が強すぎるのです。選手が審判に支配されているといっていい。しかも、五輪競技の審判の中にはアマチュアもいる。柔道やボクシングがその一例で、待遇や支援環境も不十分。サッカーのようにプロライセンスを持つ審判ばかりではないのです。『誰が決勝の笛を吹くのか』というのは各競技団体や連盟が決めるので、そこに権力者の力が加われば、買収や不正の温床にもなりかねない。審判をジャッジする機関の整備が必要だと思います。たとえば、ラグビーにはレフリー有資格者や元レフリーによるチェック機能(ジュディシャル・サイティングシステム)がある。協会内の機関ではありますが、審判とは独立した組織。Jリーグにも似たような機関があり、審判のチェック機能を果たしています」
懸念されるのはAIを開発したメーカーとの癒着
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