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阿部詩は大号泣、斉藤立も憔悴…ニッポン柔道大苦戦を招いた「全柔連の罪」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月3日 8時11分

阿部詩は大号泣、斉藤立も憔悴…ニッポン柔道大苦戦を招いた「全柔連の罪」

斉藤立も惨敗(C)共同通信社

【パリ五輪】柔道男子100キロ超級

「情けないです…」

 メダルなしの惨敗に終わった男子100キロ超級斉藤立(22)は4度も「情けない」と繰り返し、自分を責めた。

 3日未明の3位決定戦でウズベキスタンの選手に腕ひしぎ十字固めを決められ、ギブアップ。一本負けを喫した。

 この日、全階級を終えた日本は金メダル3、銀メダル1、銅メダル3個を手にしたが、金メダル9を含む計12個のメダルを獲得した東京大会と比べて大幅減。中でも苦戦を強いられたのが女子だ。V確実と言われた女子52キロ級の阿部詩(24)がまさかの2回戦敗退で大号泣。この日も五輪連覇に挑んだ78キロ超級の素根輝(24)が準々決勝で敗れ、古傷の左膝の故障を理由に敗者復活戦を辞退した。女子のメダル獲得総数はこれまで最少だった12年ロンドン大会の3個を下回る2個に終わった。

 相次ぐ誤審騒動に足を引っ張られた上に、ライバル国との実力差が縮まったとの見方もある一方、「全日本柔道連盟の戦略ミス」との声もある。

 全柔連はパリに向け、早々に代表内定者を決めた。23年6月下旬に男子66キロ級の阿部一二三(26)、詩の兄妹、女子48キロ級の角田夏実(31)、同70キロ級の新添左季(28)の4人を、過去最速となる本番13カ月前に決定。同8月には斉藤立と素根、男子81キロ級の永瀬貴規(30)ら6人に内定を出した。柔道関係者が言う。

「最速で内定者を決められるよう23年3月に『強化システムに関する規程』を改正。全柔連の科学研究班が<早期代表内定者がメダルを取る確率は8割を超える>と分析したことを加味し、本番まで多くの準備期間を確保することを優先した。しかし、階級や選手ごとに内定に至るプロセスに違いが生じるなど基準があいまいで、他の選手に戸惑いと不満を生んだとの声もあります」

 阿部兄妹はほぼ無条件で代表に内定した。ある選手には、長期間試合に出場していなかったにもかかわらず、1試合のみで内定を出すスケジュールを組む一方、別の選手には「今のままでは内定者を選ぶ強化委員会に推薦できない」と、複数の試合出場を促すケースもあった。勝てば内定が決まる大会に優勝したにもかかわらず、内定を見送られた選手もいる。

「メダルなしに終わった斉藤は、男子の鈴木佳治監督のプッシュもあって早期内定しましたが、協会内では『決定時期が早すぎる』と賛否が分かれたといいます。実際、内定後の試合も精彩を欠いていました」(同)

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