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卓球女子シングルス早田ひなの自滅に見えた孫穎莎のバケモノぶり【卓球コラムニスト・伊藤条太 観戦記】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月3日 8時11分

卓球女子シングルス早田ひなの自滅に見えた孫穎莎のバケモノぶり【卓球コラムニスト・伊藤条太 観戦記】

早田は左手首の状態も芳しくなく…(C)共同通信社

【パリ五輪】卓球女子シングルス

 女子シングルス準決勝は世界ランキング5位で第4シードの早田ひなが同1位で第1シードの孫穎莎(ソン・エイサ)に0-4で完敗した。卓球コラムニストの伊藤条太氏はこの試合を見て孫のすごさに改めて驚かされたという。

  ◇  ◇  ◇

 まず、早田は左腕に黒いテーピングをしていました。北朝鮮選手を4-3で下した前日の準々決勝のラリーで痛めたようです。コンディションが100%ではなかった点は無念だったと思います。それにしても、孫の人間離れした強さが際立っていました。早田が厳しいコースに打ち込んでも、ことごとく反応する。それも台の角を狙った速い球でです。

 孫は普通の選手より前で反応でき、その短い時間で猛烈な回転もかけます。回転がすべてのサービス1つとっても、ラケットを微妙に動かしているのでどんな回転かが読めない。そのため早田は、速い直線的な球ではなく、安全策で高くてやや遅い球で返さざるを得ません。

 孫はそれを狙い打ちしてくる。早田に限らず、卓球ではレベル差がある2人が戦うと、強い選手は特別なことは何もしていないのに、相手がひとりでミスしているように見える。今回の早田もそう見えたかもしれませんが、それだけ孫のプレーが完璧だったということです。コンディションが万全でないことを差し引いても、すべての点で孫は早田を上回っていた。

 ストレート負けは仕方ありません。他の競技と同様に、卓球も年々進化している。コンディションが万全な早田が8年前のリオ五輪に出れば金メダルを取っていたかもしれません。今の卓球はより攻撃的になり、以前なら決まっていた速いボールが、台の前で倍返しされる。中国選手は倍返しに慣れているので、それをさらに倍返してくる。ボクシングでいえば、トリプルクロスカウンターです。ネット際のボールをバックハンドで攻撃するチキータも、登場した当初は決め球として使われましたが、今ではちょっとでも遅いと狙い打ちされるようになっています。人間離れした孫を倒すためには、想像を絶するような攻撃力の強化が課題になるでしょう。(談)

  ◇  ◇  ◇

 早田は3日の3位決定戦で申裕斌(韓国)と対戦する。

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