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五輪とは何かを改めて訴えた本家フランスならではの独創性 メダルの数を叫ぶのは時代遅れに

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月4日 9時26分

五輪とは何かを改めて訴えた本家フランスならではの独創性 メダルの数を叫ぶのは時代遅れに

2024年パリ五輪開会式(C)ロイター

【スポーツ時々放談】

 オリンピックが佳境に入っている。

 時差は7時間。午前2時からの開会セレモニーを結局、朝6時まで見てしまった。

 スタジアムを離れ、セーヌ川とエッフェル塔を舞台にした独創的な演出はフランスならではで、五輪旗を逆さに掲揚したのもパロディーかと思ったほど自由自在だった。近代五輪を発想・提唱したクーベルタンはフランス人だ。五輪は自分たちの祭典……心理学でいう基本的信頼、明確な主張があった。

 ジダンからナダルへ手渡された聖火がセーヌを渡ると、テニスのアメリ・モレスモがいた。全豪、ウィンブルドンで優勝し、現在は花の都の最大のイベント・全仏オープンの責任者……フランスで最も成功した女性アスリートは同性愛者として知られ、ジェンダーフリー、多様性というパリ大会のテーマが打ち出された。

 オリンピックは世界一を決める場ではない。そこが世界選手権と違って、世界が同時代性を確認・擦り合わせる機会であり、競技は普遍的な媒体だ。クーベルタンの言葉通り「参加すること」に意義があり、勝利を目指しつつも、すべてではない。

 大会3日目、錦織圭は柴原瑛菜と組んだミックスダブルスの初戦勝利にうれしそうで楽しそうだった。

 ミックスは4大大会ではエキシビションだ。オリンピックではわずか16ドローでもシングルスと同じメダル種目……陸上競技では東京大会から男女混合1600メートルリレーが始まり、今大会から男子50キロ競歩に代わって男女混合リレー競歩が実施される。

 ジェンダーフリーに加え競歩の普及が目的、ムキになって勝った負けたを叫ぶのはやぼというものだ。

 マラソンもそうだ。ロンドン大会からの周回コースに逆らって、ベルサイユ宮殿など名所を巡る難コースを採用した。女子マラソンを最終日に回すことで改めて大会テーマを訴え、男子のレース後に同じコースを2万24人の一般ランナーが走る──マラソンのメダル争いは話題になっていない。

 柔道のシード制、バレーボールやバドミントンの代表基準に世界ランキングが絡んで、国内に数々の「?」が広がった。スポーツは刻々と変わり、オリンピックに「より皆で」が加わって、中学生のチャンピオンも生まれた。日本最初のオリンピアン金栗四三がマラソンを走ってから112年、メダルの数を叫ぶのは時代遅れになった。

(武田薫/スポーツライター)

  ◇  ◇  ◇

 時代が変わっても、毎度の大会で話題になるのが選手村で配布される避妊具の数だろう。今大会ではいったい何万個が配布されているのか。オリンピアンが語った選手村の「衝撃の実態」とは、どのようなものなのか。 

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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