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米国のノスタルジー・ブームは「心のサバイバル」…日本でも昭和が人気(シェリーめぐみ)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月4日 9時26分

米国のノスタルジー・ブームは「心のサバイバル」…日本でも昭和が人気(シェリーめぐみ)

1980〜90年代から2000年代のファッションや音楽が大ブーム(C)iStock

【ニューヨークからお届けします】

 ノスタルジーは日本語では「郷愁」と訳されます。アメリカでは今トレンドにもなっているノスタルジーが、実はメンタルにも良いことがわかってきました。

 2000年代はY2Kとも呼ばれていますが、アメリカでは今、1980〜90年代から2000年代のファッションや音楽が大ブームです。90年代のビッグアーティスト大集合の音楽フェスが人気を集め、ビンテージ・ファッションも売れています。中古の服はサステナブルという意味でも注目され、やはり過去へのノスタルジーの要素が強いと考えられています。

 過去を懐かしく感じるのは人間として当然です。ほとんどの大人は週に1度はこうした感情を抱くこともわかっています。

 しかし近年さらに着目されているのが、ノスタルジーのメンタルへの影響です。

 心理学者によれば、ノスタルジーは過去を「良いもの」としてポジティブに思い出すことで、現在と未来を楽観的に感じるのを助けてくれるといいます。

 また、オランダの医学誌エルゼビアの調査によれば、ノスタルジーを感じるのは、脅威や苦悩を経験した時だということもわかりました。

 興味深いのは、ノスタルジーを抱くのが若い世代に多いことです。アメリカZ世代の15%が今より過去の方がよかったと感じています。彼らは自分がまだ生まれていかった時代に対しても「擬似ノスタルジー」を抱く傾向があります。

 Z世代はコロナのパンデミックの影響を強く受けた世代です。さらに深刻なインフレや戦争、政治の混乱、気候危機などが彼らの未来に立ちはだかっています。そのためにメンタルを病む人も少なくありません。そんな彼らが何も考えずにいられた子供時代や、こうした問題が少なかった過去を懐かしむのは、一種のサバイバルとも言えるのではないでしょうか。

 日本で起きている昭和ブームも、こうした心理と繋がっているかもしれませんね。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)

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