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松山英樹「最後の五輪」で悲願成就…理想主義者が捨てたプロセス、溢れ出た「本気度」と「らしくなさ」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月5日 7時53分

松山英樹「最後の五輪」で悲願成就…理想主義者が捨てたプロセス、溢れ出た「本気度」と「らしくなさ」

松山英樹(C)共同通信社

【パリ五輪】男子ゴルフ

 狙った色とは違った。それでも、松山英樹(32)は日本男子ゴルフ初となるメダルを手にして満面の笑顔を見せた。

 伸ばし合いの大混戦を制したのは、ボギーフリーの9アンダー62と大爆発した今季ツアー6勝で、世界ランキング1位のS・シェフラー(28・米国)。通算19アンダーの金メダルは、トップに4打差からの大逆転だった。銀メダルは通算18アンダーのT・フリートウッド(33・英)。

 2打差で金メダルを逃した松山だが、頂点は目前だった。通算11アンダー4位タイからスタートし、前半の4バーディーで首位に1打差。後半も10番、12番のパー4でスコアを伸ばすなど、何度も首位に手が届きかけた。13番以降のチャンスを決められず、一進一退。が続く中で迎えた最も難しい18番パー4がメダルの色を分けた。第2打をピン奥3メートルにつけ、これを決めれば銀メダルを争うプレーオフに持ち込める可能性があったが、無情にもこのバーディーパットがカップに蹴られた。

 最も輝くメダルは手にできなかったものの、悲願の五輪メダルを手にしたことは松山のゴルフ人生に新たな歴史を刻んだことになる。

「苦しかったですけど、残り3,4ホールまで金メダルのチャンスがあった。金を獲ることができず悔しいですが、銅メダルでも凄く嬉しい。(前回の)東京(大会)では、女子ゴルフで稲見選手が銀を獲って、男子は獲ることができなかったので、今回獲ることができて嬉しい」

 こう語った松山だが、今年に入ってもパリ五輪に懸ける思いを表に出さなかった。むしろ、興味がないという態度で、2月に出場権を得ながら出場を公にしたのは、6月の全米オープン最終日のこと。ところが、現地入りすると一転、公式会見で「3年前以上の結果を出せるように頑張りたい」とメダル取りに意欲を見せた。

 2016年のリオ五輪は、ブラジルで流行していたジカ熱などを懸念して出場を辞退。前回の東京五輪は最終日に首位と1打差の単独2位から金メダルを狙ったが、7人で銅メダルを争ったプレーオフで脱落し、4位に終わった。女子の稲見萌寧(24)が銀メダルだっただけに、その悔しさは想像に難くない。「3年前以上の結果」を求めたのは当然だろう。

「松山がこの大会を特別なものとして捉えていることは、初日のコメントにも出ていた」と、ツアー関係者がこう語る。

珍しく悔しさを露わにして顔を歪めた

「松山は理想主義者なんです。自分のイメージした弾道を追い求め、例えばスイングを100分割した写真を一枚一枚すべて説明できるほど、スイングに理論と理想を持っている。だから、グリーン外からのチップインやミスショットがピンそばに寄ってのバーディーをよしとしない。バーディーの取り方、4日間72ホールの戦い方、勝ち方の青写真があり、そこに強いこだわりがある。

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