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インバウンド急増で…「宿泊税」導入検討が全国自治体で相次ぐ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月6日 9時26分

インバウンド急増で…「宿泊税」導入検討が全国自治体で相次ぐ

増え続ける訪日客(C)日刊ゲンダイ

 2024年上半期(1~6月)の訪日外国人旅行者数の累計は1777万7200人(日本政府観光局発表)。過去最高を記録した19年同期を100万人以上上回った。6月の訪日観光客数は313万5600人で前年同月比51.2増%と急増した。

 こうしたインバウンド需要の拡大に伴い「宿泊税」の導入や、既に導入している自治体は増額を検討するなど全国の自治体が宿泊税に注目している。宿泊税は観光振興など、特定の目的で地方自治体が新設できる法定外目的税で、1人1泊の宿泊数に対し課される。

 既に東京都をはじめ大阪府、京都市、金沢市、福岡県など9つの自治体が導入、新たに北海道、北海道ニセコ町、静岡県熱海市が導入を決定するなど30以上の自治体で続々導入の検討に入っている。

 その一つ千葉県では熊谷俊人知事が「財政面から避けて通れない」と、昨年10月に宿泊税導入の研究会をスタート、今年7月の第3回有識者会議で宿泊税「一律150円」の素案を了承している。県観光政策課・林直人副参事が説明する。

「新しい観光振興を進める上での必要な財源として45億円を想定、昨年度の県内宿泊者数約2800万人の実績から1人150円の負担で約42億円の税収になり、想定額の大半を賄えます」

 さらに、「成田空港の拡張で、インバウンドの観光客は確実に増え、また圏央道の延伸では房総半島で観光客を受け入れる体制が必要です。市町村の取り組みへの財源として利用されることになります」という。

 県は宿泊税導入に伴い宿泊事業者、市町村、旅行事業者にアンケートを行っている。その結果、「例外を設けず全ての宿泊客から徴収すべき」が56.3%と多数を占めた。「千葉県が観光客に数百円程度の宿泊税を求めた場合に想定される影響」では、「影響はない」が52.1%、「千葉県への旅行客が減少する」は11.3%だった。県内では県税とは別に浦安市、南房総市も宿泊税の検討に入っている。

「市町村が宿泊税を導入すれば県税の150円にプラスされますが、導入時期など市町村との綿密な調整が必要」(前出・林氏)

 こうしたケースでは自治体により対応に差がある。20年に宿泊税200円を導入した福岡県の場合、「北九州市では200円、福岡市は宿泊費2万円未満は1人200円、2万円以上は500円ですが、両市とも政令指定都市のため、そのうち50円を県に納入してもらっています」(福岡県総務部税務課)。

 東京都をはじめ宿泊税の引き上げを検討する自治体も出ている。新たな課税で観光客の出足が鈍らないことを願いたい。

(ジャーナリスト・木野活明)

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