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赤ちゃんが欲しいなら「AMH検査」…妊娠できる残り時間を推測

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月6日 9時26分

赤ちゃんが欲しいなら「AMH検査」…妊娠できる残り時間を推測

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 将来、妊娠を考えているなら、「AMH検査」のことを知っておいた方がいい。AMHはアンチミューラリアンホルモン(抗ミューラー管ホルモン)の略称になる。絹谷産婦人科(広島県)の絹谷正之院長に話を聞いた。

 妊娠はよく知られる通り、卵子と精子の両方が必要だ。卵子の数は決まっており、お母さんのお腹の中にいる胎児の時で最大個の約700万個。出生時に200万個となり、初めて月経を迎えるあたりで30万~50万個。その後月1回の排卵(月経)で約1000個消費され、45歳くらいで数千個となり、1000個を下回ると閉経となる。

「AMHは、発育過程にあるごく初期の卵胞(卵子が入っている袋)から分泌されるホルモンです。少量の血液を採取し、血液中のAMHの量を調べると、卵巣にどれくらいの卵子が残っているかがわかります。卵巣の卵子の数は、卵巣が有する潜在的な卵巣機能の予備力を示すので、AMH検査によって、妊娠ができる残りの時間を推測できます」(絹谷院長=以下同)

 年齢を重ねることで女性の妊孕力(妊娠できる能力)が低下していくが、これは加齢で卵子の質が低下していくから。自分の卵子を用いた場合と、提供卵子を用いた場合の胚移植あたりの生産率を比較した研究では、自分の卵子では加齢で低下していくものの、提供卵子では年齢と無関係に高い確率で妊娠・出産することが示されている。

 加えて妊孕力と密接に関係するのが、卵子の数だ。

「AMH値が高いほど不妊治療での採卵数が多く、採卵数が多いほど累積出生率は上がります。AMH値は個々でばらつきが大きく、同じ年齢でも高い人もいれば、低い人もいます」

 言い換えると、同じ年齢でも、妊娠ができる残りの時間にばらつきがあるのだ。

「不妊症の治療には、主にタイミング療法、人工授精、体外受精があります。各治療周期で妊娠ができるのは20~30%で、基本的には同じ治療を何度か試し、妊娠できなければ高度な治療へとステップアップしていきます。ステップアップする目安は6カ月周期ですが、AMH検査で卵子の数を知ることで、どのタイミングでステップアップすべきか、計画を立てやすくなります」

■2024年から保険適用に

 不妊治療は2022年4月から保険適用となったが、治療法や年齢、回数に条件があり、AMH検査は体外受精を目的とした場合のみ保険適用だった。タイミング法や人工授精のタイミングでは自費診療だったのだ。しかし、今年の診療報酬改定で変わった。

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