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過去最大の下落幅に投資家はパニック売りだが…円高・株安でも「慌てる必要なし」とエコノミストが説く根拠

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月6日 11時12分

過去最大の下落幅に投資家はパニック売りだが…円高・株安でも「慌てる必要なし」とエコノミストが説く根拠

年初の水準に戻ってしまった(C)共同通信社

 5日も日経平均株価の大暴落に、投資家は右往左往だった。「売りが売りを呼ぶ展開」(市場関係者)で、終値は先週末比4400円超安の3万1458円。1987年のブラックマンデーの翌日につけた3836円を超えて過去最大の下落幅を記録した。

 円相場は一時1ドル=141円台まで上昇。今年1月以来、約7カ月ぶりの円高ドル安水準に戻った。株価の歴史的な下落幅を受け、リスク回避の姿勢が円買いを後押しした。インフィニティ・チーフエコノミストの田代秀敏氏がこう言う。

「今回の円高・株安によって、今までの異常な株高が調整されたとも言えます。証券業界のベテランに言わせれば、『夏の肝試し』。このまま株高が続き、いつか破滅的な暴落を迎えるよりかはガス抜きが図られたという点でメリットはある。87年のブラックマンデーの翌日に似た状況と言われますが、89年末には当時の史上最高値3万8915円を記録していますから、今が『肝試し』というのもうなずけます」

 かつてない円安・株高から一転、円高・株安の局面に含み損が膨らんでパニックになっている人もいるが、長い目で見れば落ち着いてよさそうだ。

 株を保有しない庶民にとっては一体、何のこっちゃだろう。市場は大荒れでも、庶民生活にとっては悪いことばかりではない。

■物価上昇に若干の歯止め

 これまで政府・日銀が異次元の大規模金融緩和という劇薬によって円安誘導を図り、輸出企業の利益を最大化してきた結果、円安・物価高を背景に所得が目減り。実質賃金は26カ月連続のマイナスだ。

 庶民はロクに給料が上がらないまま、「金利のない世界」のコストを負わされてきた。

 これから「金利のある世界」に戻っていけば、銀行の普通預金の金利が上がっていく。円安・物価高に歯止めがかかれば、めぐりめぐって家計の負担が軽くなることも考えられる。

「『弱い円』という状況は変わらないものの、多少は円高に振れたことによって企業が価格転嫁しにくくなり、足元の物価上昇に若干歯止めがかかる側面はあるでしょう。何より、実質賃金を下げ続けてきたアベノミクス的な政策が見直しを迫られること自体、大きなメリットと言えます」(田代秀敏氏)

 アベノミクスでボロボロになった庶民生活はリハビリできるのか。

  ◇  ◇  ◇

 2日午前も、ネット上で「株価暴落」とのワードがトレンド入り。SNSでは、今年1月から新たな仕組みが導入された新NISA(少額投資非課税制度)を始めた人たちの不安の声が目立った。中には《植田ショックを招いた3悪人はこの人たち》との不満をぶつける意見も。名指しで批判された「3悪人」とは?

 ●関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

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