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「志の吉にねずみをやれと命じたのは私です」【立川晴の輔 大いに語る】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月7日 9時26分

「志の吉にねずみをやれと命じたのは私です」【立川晴の輔 大いに語る】

立川晴の輔(右)と吉川潮(C)日刊ゲンダイ

【立川晴の輔 大いに語る】#6

 真打ち昇進を目指して会を始めた志の吉だが、昇進までの道のりは遠かった。

「会を4回開いて、毎回DVDに録画して、師匠にチェックしてもらい、最終回に師匠が出演して合否を発表する段取りでした。師匠が高座で、『真打ちに値します』と言ってくれました。でも、『真打ちにする』とは言ってない。後で、『何かが足らない』と言われました。追試は、僕の客の前でなく、師匠のお客の前で『ねずみ』を演じることでした」

「ねずみ」は志の輔が得意とする人情噺の大ネタである。

「師匠のスケジュールを調べて、長野県飯田市で独演会があると知り、会場について行きました。そこで『ねずみ』をやってこいと言われ、高座に上がりました。前座の次に出て、いきなり大ネタをやり出したのに、温かいお客さまで、よく聴いてくれて反応もよかった。次に上がった師匠が『志の吉にねずみをやれと命じたのは私です。皆さんは、弟子が真打ちになる瞬間を見届けた、と思っていただいてけっこうです』と言ったことで、昇進が決定したわけです」

 なんとも劇的な昇進話ではないか。

「昇進を機に改名するにあたって、僕は『〇の輔』という名前になりたくて、師匠に相談しました。京の輔、茶の輔、喜の輔、善の輔、晴の輔と並べて、明るさから晴の輔になりました」

 昇進が決まってからが大変だ。披露興行と披露パーティーの準備やあいさつ回りで、忙しい日々が続く。明けて2014年、めでたい日を迎える。

「よみうりホールで催した披露興行には、ゲストとして木久扇師匠、昇太師匠、談春師匠に出ていただきました。その日があいにく暴風雨で、晴の輔じゃなくて、雨の輔じゃないかと言われました(笑)。それでも超満員だったので、うれしかったです」

 立川流の真打ち披露興行は、家元談志が披露口上に並ぶのが常だったが、家元がいないのに、こんなに豪華でにぎやかな口上は初めてであった。 (つづく)

(聞き手・吉川潮)

▽立川晴の輔(たてかわ・はれのすけ)落語立川流・立川志の輔一門。1972年11月21日兵庫県神戸市生まれ。岡山県作陽高校、東京農業大学農学部卒。97年、立川志の輔に入門。志の吉を拝名。2003年、二つ目に昇進。08年、東西若手落語家コンペティション・グランドチャンピオン。13年、真打ちに昇進。志の吉から晴の輔へ改名。

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