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世界的大ヒット中「インサイド・ヘッド2」はディズニー&ピクサー完全復活の試金石

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月7日 9時26分

世界的大ヒット中「インサイド・ヘッド2」はディズニー&ピクサー完全復活の試金石

勢いは全世界に波及(香港のショッピングモールに飾られた「インサイド・ヘッド2」の巨大ポスター) (C)ロイター/NurPhoto

 ディズニー&ピクサーの最新アニメーション「インサイド・ヘッド2」が8月1日に公開された。少女ライリーを見守る、ヨロコビやカナシミなど頭の中の感情たちを描いた、前作「インサイド・ヘッド」から9年。今度は高校入学を控えて思春期に入ったライリーに、新たに芽生えた感情たちと、昔からある感情との衝突を描いたこの作品は、6月に北米で公開されるとオープニングの週末で1億5500万ドルの興行収入を上げ、その勢いは全世界に波及して、昨年の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の世界興行収入13億6168万ドルを抜き去り、「アナと雪の女王」(2013年)に続く、歴代アニメーション映画第2位の大ヒットになっている(7月19日現在)。

 日本でも同様のムーブメントが起こるかが期待されるが、懸念材料もなくはない。日本におけるディズニー&ピクサー作品は、「アナと雪の女王2」が133億7000万円、「トイ・ストーリー4」が100億9000万円の興行収入を記録した19年を境として、コロナ禍の影響もあって低迷。22年の「バズ・ライトイヤー」は12億2000万円、23年公開の「マイ・エレメント」は27億円と、かつての数字から見ると厳しい状況が続いた。ただウォルト・ディズニー・カンパニー100周年記念作品をうたった23年の「ウィッシュ」は、世界的には興行が不振だったが、日本では35億円を超えるヒットになり、固定ファンの多さを見せつけた。

 しかし、254億7000万円の興行収入を上げた「アナと雪の女王」は別格として、「ベイマックス」(14年)が91億8000万円、「ズートピア」(16年)が76億3000万円、「ファインディング・ドリー」(16年)が68億3000万円、「リメンバー・ミー」(17年)が50億円と、50億円超えを連発してきたディズニー&ピクサー作品としては数字の伸び悩みが解消されたわけではない。

 ただコロナ禍に入ってディズニー&ピクサー作品は劇場公開をしないで、Disney+で配信するものが増えた。これによって、配信で最初に作品を見る習慣が定着。今年の3月から4月にかけて、コロナ禍の間に配信されていた「ソウルフル・ワールド」(20年)、「あの夏のルカ」(21年)、「私ときどきレッサーパンダ」(22年)が劇場で初公開され、さほど話題を呼ぶことはなかったが、コアなファンはDisney+で既に視聴していたとも推察される。

■懸念材料は…

 メディアの多様化によって劇場公開の数字が作品やキャラクターの認知度に比例しない状況になってきたわけだが、これまで劇場公開時の反響の大きさを踏まえて、テーマパークのアトラクション化、実写映画化、グッズの販売など、二次使用的な展開をしてきたディズニー&ピクサー作品の人気の実態が、一般的には分かりにくくなってきたのも確か。そこに今回の「インサイド・ヘッド2」の世界的な大ヒットである。これによって劇場公開を基本とするディズニー&ピクサー作品の人気が、世界的に完全復活するのか。そして日本でも再びファミリー層を取り込んで、幅広い観客を集められるのか。その動向が気になるところである。

(映画ライター・金澤誠)

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