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尿路上皮がん治療最前線…全生存期間がグッと延びている

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月7日 9時26分

「併用ではなく維持として用いることで全生存期間がグッと延びた。昨年のASCO(米国臨床腫瘍学会=世界最大のがん学会)では、維持治療の追加解析として、GC療法開始時点を起点として30カ月近くの全生存期間を得たことを示す研究結果が発表され、参加者から喝采をもって受け止められました」

 さらに登場したのが、1次治療として、抗体薬物複合体(ADC)と免疫チェックポイント阻害薬を併用する方法だ。ADCは抗体に抗がん剤などの薬を付加した薬で、免疫チェックポイント阻害剤に並ぶ次世代のがん治療薬として国内外で研究開発が積極的に行われている。

「臨床試験でGC療法を基盤とした従来の治療と比べ、有意に無増悪生存期間と全生存期間を改善。31カ月間の全生存期間中央値が得られ、今年3月に世界的権威のある医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』で発表されています」

 この臨床研究で用いられたADC(一般名:エンホルツマブ ベドチン)は、進行尿路上皮がん1次治療への適応追加に関して承認申請中だ。

 最前線では、遺伝子変異を有するがんへの分子標的薬を用いた治療も盛んだ。尿路上皮がんでは行われていなかったが、それが変わるかもしれない。臨床研究で有意差がある結果が出て、昨年11月、FGFR遺伝子変異を有する進行尿路上皮がんへの分子標的薬の承認申請が行われたのだ。

「尿路上皮がんでFGFR遺伝子変異を有する症例は必ずしも多くないとはいえ、シスプラチンしかなかった時代と変わり、やっと新しいメカニズムの薬剤やそれらの薬剤のコンビネーションで乗り越えられるとの結果が出てきたと言える」

 今後どうなっていくのか。目が離せない。

※記事内の免疫チェックポイント阻害薬は、「ペムブロリズマブ」「アベルマブ」「ニボルマブ」など、それぞれ別の薬となる。

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