陸上1500m田中希実 記録から見る決勝への道…救済措置で準決勝進出、運を活かせるか?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月7日 11時47分
田中希実(C)共同通信社
【パリ五輪】陸上女子1500m
2日に行われたパリ五輪陸上5000mで予選敗退した田中希実(24)の落胆は大きかった。「現実が受け入れられない。自分の中での五輪が終わってしまったような気持ち。5000で(力を)出し切ってから、1500はただ楽しむだけというイメージだった。今は気持ちを持っていけない」
そのコメントを聞いた陸上関係者は6日の1500mへ向けて「気持ちの切り替え」を心配していたが、メンタルトレーナーの児玉光雄氏(追手門学院大特別顧問)はこう語る。
「昨年の世界陸上(世陸)8位入賞の得意種目で想定外の結果となり、落胆が大きかったのでしょう。それは最高の自分をイメージしていたからです。普通の人ならショックを引きずりますが、田中は世界で戦うアスリートで、しかも多種目に挑戦している。そのような経験は何度もしている。一晩寝て、いつもと同じような生活リズムで練習を行えば平常心に戻るのは早いものです」
そして迎えた1500m予選。1組目に登場し、序盤から先頭でレースを引っ張ったが4分4秒28の11着。予選突破の6着以内に入れなかった。しかし、残り200mでアイルランドの選手と接触し、大きく順位を下げたことで救済措置により8日の準決勝に進めることになった。
それを知った田中は「(7日の)敗者復活って思ってたので、自分の中で凄く頑張ったからこういった運が巡ってきたんじゃないか」といった。
その運を次のレースで活かせるのか。
準決勝は各組上位6人が決勝へ進む。田中は昨年の世陸1500mは準決勝1組12着(4分6秒71)で敗退した。決勝へ進んだ12人のうち、最も遅い記録は田中と同組6着の4分2秒83だったが、超ハイレベルの2組は6着でも3分57秒85。2組の3着までは決勝の2着より速い時計だった。
田中はラスト1周のスピード勝負では分が悪い。この日のように先頭に立って自分でペースをつくり、6着までに粘りこむしかない。
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