日本の「お家芸」はなぜ大惨敗だった?競泳&バドミントンは復権どころかさらなる凋落危機
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月7日 11時47分
瀬戸大也は個人メドレー2種目とも7位惨敗(C)共同通信社
かつての「お家芸」は見る影もない。
競泳は5日に全日程が終了。メダルは松下知之(19)の銀1個に終わり、1人も表彰台に上がれなかった1996年アトランタ五輪以来の惨敗となった。
この競泳とともに、メダル有力種目に位置付けられたバドミントンも期待を裏切り、混合ダブルスの渡辺勇大(27)・東野有紗(28)組、女子ダブルスの志田千陽(27)・松田奈未(28)組による銅2個だけだった。
「競泳ニッポン」が表彰台にすら食い込めなくなった要因はどこにあるのか。五輪4大会で計4個のメダルを獲得した松田丈志氏がこう言う。
■競泳ニッポンは「時代に逆行している」
「原因は2つあります。1つは、日本スポーツ界全体の課題かもしれないですが、強化と研究・科学の部分をもっと連携しなきゃいけない。現場とアナリストやスポーツ科学の研究者がもっとタッグを組むべきだと思うんですが、僕らの時代よりもできてない気がしています。世界はどんどんデータ化が進んで、科学的な切り口を次々に取り入れて強くなっているのに、日本、特に水泳は以前よりもそこが進んでいない。時代と逆行している。
もう1つは、日本代表チームに海外の知識やノウハウ、エッセンスを入れることも必要なんじゃないか。バスケットボールのように海外のコーチを入れるのはもちろん、バレーや野球は海外に行った選手がどんどんそれを日本に持ち帰って強くなってきた。メジャーリーガーのダルビッシュ(有)選手はどんどんアメリカの最新機器や情報を後輩にフィードバックして、日本の選手の底上げに繋げていました」
大会直前にはプールの水深が従来の国際大会で一般的な3.0メートルより80センチ浅い2.2メートルだったことが発覚。試合4日前の公式練習で知る選手がほとんどで、本番プールに飛び込んで初めて知った選手もいたという。情報共有不足が露呈していた。
コミュニケーション不足は今に始まったことではなかった。昨年7月の世界水泳では選手への声かけをめぐって梅原孝之委員長(パリ五輪代表監督)と意見の食い違いが発覚。平井伯昌コーチ(パリ五輪代表コーチ)に選手交代の事実が伝わっていないという“内紛”も勃発していた。
「代表チームや水泳連盟(以下、水連)も含めた組織の指揮系統が以前より脆くなって意思疎通が足りない部分があるなと感じました。さすがにもうないでしょう。あれは本当にただの初歩的ミス。代表チームとはいえ、みんながそれぞれ自分のスケジュールで動いている。その中で情報を全員に伝える瞬間や方法を作らないといけない。ただそれができなかっただけ。めちゃくちゃ初歩的なミスで、それをまたやっているようじゃダメだと思います」(松田氏)
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