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興南(沖縄)我喜屋優監督「野球しかしていない高校生の将来は誰が保証するのでしょうか」【2024年夏の甲子園 監督突撃インタビュー】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月7日 11時47分

興南(沖縄)我喜屋優監督「野球しかしていない高校生の将来は誰が保証するのでしょうか」【2024年夏の甲子園 監督突撃インタビュー】

我喜屋優監督(C)日刊ゲンダイ

 明日8日は沖縄の興南が登場する。地方大会で準決勝に駒を進めた興南以外の3校はエナジックスポーツ(創部2021年)、ウェルネス沖縄(同18年)、KBC(同15年)。沖縄で〝横文字〟の新鋭校が増えている理由を学校法人興南学園の理事長でもある我喜屋監督に聞いてみると……。

  ◇  ◇  ◇ 

 ――近年の沖縄は聞きなれない名前の学校が力をつけています。

「まず、それら学校の母体が何かを調べないと。本来、学校は生徒をある程度確保し、校納金を収めてもらい、そして政府の補助で成り立っている。しかし、近年は『それは学校なんでしょうか?』という出場校が増えているのも事実です。例えば、興南が同じように『今度はスポーツだけの学校にしよう』となったら、財源はどうするのか。生徒が野球部員だらけだったら、本来、一般生徒にも関わりのある校納金から吸い上げるしかなくなる。それは違うでしょう、と僕は思っています」

 ――野球専門学校のようなものですか。

「詳しいことは僕もわかりませんが、(財源を)母体となる企業の利益から回してもらっているとすれば……それは学校の税務的にどうなのでしょうか。企業が社員に利益を還元するのは当然です。でも、生徒は社員ではない」

 ――学校法人は税制上の優遇措置があります。なぜ、沖縄でそうした学校が増えているのでしょう。

「何と言えばいいのか……沖縄には『いいよ、勉強なんてしなくても』という風潮があるのかどうか……。近年は沖縄に進出している経営母体もあるだけに、ある意味、彼らの草刈り場になっているのかもしれません」

 ――でも、それは本来の学校ではありません。

「スポーツを通して社会に通用する人間を育てるのならばいいのですが、スポーツだけやっていればいい、というのはおかしいですよ。公立校は授業時間は部活が出来ないし、興南だって部活は午後4時からです。野球専門学校のような出場校が増えると、いよいよ公立校が勝てなくなる。高校野球は平等性がなくてはいけないんです」

 ――学校が野球だけをやらせるのはおかしいと。

「スポーツを通じた教育をするからこそ、6時間目まで(英語、数学などの)授業をする。勉強して知識を広げ、将来の仕事の選択肢を広げるためです。でも、朝から野球しかしていない高校生の将来は、誰が保証するのでしょうか。野球しか知らないと挨拶もできないし、コミュニケーション能力もない。当然、大学の授業にもついて行けません。高野連はこうした学校を野放しにしてもいいのか? 後の祭りになってからでは遅い、と言いたいですね」

(聞き手=阿川大/日刊ゲンダイ)

  ◇  ◇  ◇

 日刊ゲンダイは7日16時に初戦を迎える健大高崎(群馬)の青柳監督を直撃。「年間予算1億円のウワサの真相」や「選手のスカウティング」などについて尋ねると、「意外な回答」が返ってきた。いったいどんなことを語ったのか。

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