神戸は「シティーハンター」で経済効果1億円! ロケ誘致→聖地巡礼が地方再生のカギに
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月8日 9時26分
![神戸は「シティーハンター」で経済効果1億円! ロケ誘致→聖地巡礼が地方再生のカギに](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/gendainet/gendainet_1066295_0-small.jpg)
(Netflixのサイトより)
4月にNetflixで配信され高評価だった、実写版「シティーハンター」は思わぬところに恩恵をもたらしていたようだ。
神戸市内で映画やドラマ、CMなどの撮影を誘致・支援する神戸市の外郭団体「神戸フィルムオフィス」が関わった、同作品の撮影による「直接経済効果」が1億円以上だったと産経新聞が報じている。さらに、映画「帰ってきたあぶない刑事」、テレビドラマ「たとえあなたを忘れても」などの作品も含めた、令和5年度の直接経済効果が過去最高の約4億2680万円に達したという。「直接経済効果」とは、撮影隊が現地で直接支払う費用の合計で、宿泊費や飲食費、交通費、資機材レンタル代やロケセット施工料、警備費などが含まれる。記事によれば、「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」を国も開始しているという。
神戸の成功について、法政大学教授で、コンテンツツーリズム学会会長の増淵敏之氏はこう話す。
「『シティーハンター』の直接経済効果が1億円以上、その他の作品も含めると年間4億円超と、大成功だと思います。配信料などの間接収入も含めると、経済効果はもっと増える可能性もあります。十数年前ですが、『湘南藤沢フィルム・コミッション』に行ったことがありますが、あそこも相当ロケが多い土地柄ですが、当時、直接経済効果は数千万円ということでしたから。それから考えるとすごいことだと思います」
その立役者が、「神戸フィルムオフィス」というわけだが、その手腕はなかなかのものだと増淵氏はこう続ける。
「『神戸フィルムオフィス』は現在、100以上の団体が加入している『ジャパン・フィルムコミッション』の中でも2番目くらいに古い団体で、それを牽引してきた組織のひとつです。同組織は、各地のNPO、市の観光課、観光協会などが加入していますが、小さな町や村だと、財源がうまく確保できてない事例も多いんですね。イギリスのフィルムコミッションなどは、宝くじなどの財源で運営されていて、さらに作品に投資したりもするんですが。神戸は現在、人口減少という問題を抱えているので、集客人口を増やすために、長年にわたる積極的な施策が功を奏したのだと思います」
またロケでの「直接経済効果」ばかりでなく、作品が話題になれば、さらなる果実が実る可能性もある。
「もちろん、こうしたロケの誘致が“聖地巡礼”などのコンテンツツーリズムにうまくハマれば、観光客は増えるので望ましい方向だと思います。しかも今回の『シティーハンター』は原作に忠実で評価が高い。コンテンツツーリズムはコンテンツ自体の人気に大きく左右されますからね。ヒット作じゃないとマニアの人しか行かないですから(笑)。そういう意味では、神戸フィルムオフィスは、長年にわたり多くのロケをこなし、経験値も上がって、頑張ってきたのだと思います」
インバウンド需要が戻ってきた今こそ、「地方再生」のために、こうした事例が見直されるべきだろう。
◇ ◇ ◇
大好評の「シティーハンター」だが、主演を務めた鈴木亮平は「変態仮面」にも出演していた! ●関連記事【もっと読む】“変態仮面”から世界のリョウヘイへ 鈴木亮平Netflix映画「シティーハンター」絶好調!…では、本人の役の幅の広さについて伝えている。
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