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「散歩番組」の主役は七十代に 鶴瓶、高田純次、火野正平展…それぞれの味わい

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月8日 9時26分

「散歩番組」の主役は七十代に 鶴瓶、高田純次、火野正平展…それぞれの味わい

笑福亭鶴瓶(左)と高田純次(C)日刊ゲンダイ

【芸能界クロスロード】

 バラエティーほど目立たないが、根強いファンに支えられ隠れた人気を誇る散歩番組。そのルーツは1970年代から長きにわたり放送された「遠くへ行きたい」(日本テレビ系)にある。ジェリー藤尾が歌う名曲が流れるオープニング。全国各地の原風景を巡りながら人と触れ合うほっこりする番組だった。

 後に国鉄のキャンペーン、“ディスカバー・ジャパン”の原点にもなった。旅人には放送作家の永六輔やベテラン俳優を起用。味わいあるコメントも人気だった。

「同じ街を散歩するのでも、散歩人によって番組の人気、寿命も決まってくる」(放送関係者)

 この流れをくむのが現在放送中の散歩番組。いずれも長寿を誇っている。

 笑福亭鶴瓶(72)の「家族に乾杯」(NHK)は今年29年の最長寿番組。平日午前の顔になった高田純次(77)の「じゅん散歩」(テレビ朝日系)は9年だが、初代散歩人・地井武男、2代目・加山雄三から数えると18年になる。

 福岡では前川清(75)の「笑顔まんてんタビ好キ」が12年と九州ローカルの人気番組だ。

 3人の共通点は古希を過ぎた高齢者であること。

「見ている人に高齢者が多いこともあり、若手芸人の予定調和のギャグを飛ばすと散歩がバラエティーっぽくなる。高齢者のほうが親近感も出せるし、人との触れ合いも自然に見える」(元関係者)

 三者三様のキャラも番組のキモ。鶴瓶は「いい人」キャラで好感度も高く、今や散歩の達人の域。

“イケオジ”の高田は言葉遊びのうまさで見る人を和ませてくれる。前川は正統派の歌手であるが、コメディーセンスのある俳優としても活躍。バラエティー実績もあり、朴訥な話ととぼけた味で笑わせる不思議な魅力を持つ。

 今春、惜しまれながら16年で幕を閉じた「ブラタモリ」(NHK)もタモリ(78)の教養と番組の趣旨がマッチした新しい形の番組だった。

火野正平を旅番組に起用したNHKの眼力

 異色の存在が75歳の火野正平。散歩ならぬ健脚で自転車のペダルをこいで日本全国津々浦々を巡る「にっぽん横断 こころ旅」(NHK BS)に出演して13年。村の中のポツンとある食堂でソバを食べながら店のおばちゃんと世間話をする光景もすっかり板に付いた。今年も4月から放送予定だったが、「火野が腰痛のために中止。秋に変更する」と発表された。

「ファンの多い番組。その人たちを裏切らないために、延期を告知して安心させた」(放送関係者)

 子役出身の火野は、大河「国盗り物語」で羽柴秀吉役を務め「ポスト・緒形拳」と呼ばれた。その後、時代劇を中心に名脇役の地位を確立したが、世間の耳目を集めたのは奔放な私生活。家庭がありながら数多くの女性との不倫でワイドショーを賑わせた。不倫相手が出産する騒ぎもあったが、押し寄せるリポーターを前に逃げ隠れせず屈託のない笑顔で対応。近年は不倫で仕事を失う人もいるが、火野は仕事に影響することも、好感度も落ちなかった。相手の女性から恨まれたこともなく、「今もいい思い出」と話す女性が多いのも火野の魅力。

 不倫のイメージを払拭した火野を旅番組に起用したNHKの眼力。

「この人がこんなに気さくで面白いオジサン」と認識させ成功を収めた。散歩番組の主役は70代。次に出てくるのは誰か。

(二田一比古/ジャーナリスト)

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