1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

内田副総裁の「さらなる利上げ」否定で株価上昇も…日銀に《仕手集団》《インサイダー》との声が上がるワケ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月8日 6時30分

内田副総裁の「さらなる利上げ」否定で株価上昇も…日銀に《仕手集団》《インサイダー》との声が上がるワケ

さらなる「利上げ」する?しない?(C)日刊ゲンダイ

 日本銀行(日銀)の内田真一副総裁(61)が7日、北海道函館市で講演し、「市場が不安定な状況で利上げをすることはない。当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続ける必要がある」と発言。この発言を受け、同日午前の東京株式市場は買い戻しの動きが広がり、日経平均株価は一時、前日比1100円超の上昇となった。

 日銀は7月31日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を0~0.1%程度から0.25%程度へと引き上げることを決定。会合後に記者会見した植田和男総裁(72)は利上げの理由として、「経済・物価情勢が見通しに沿っていること」「足元の円安が物価に上振れリスクを発生させていること」を挙げつつ、「次の判断をすることになる」などと、さらなる利上げの可能性について言及。このため、米景気減速の懸念に加え、欧米との金利差縮小が進むなどの判断から「円買い・ドル売り」の動きが進み、5日の日経平均株価は前日比4400円超の大幅下落。その後も東京市場は乱高下が続いている。

■植田総裁は1週間前に「さらなる利上げ」の可能性を示唆していたが……

 内田副総裁は講演で、今後のさらなる利上げの判断に関し、「ここ1週間弱の株価・為替相場の大幅な変動が影響する」と言い、株価の変動についても「政策運営上、重要な要素となる」と指摘。株安・円高の進行について「極めて高い緊張感を持って注視し、政策運営において適切に対応していく」と強調していたのだが、トップの総裁が「さらなる利上げ」の可能性に踏み込んでから1週間で、副総裁がその“火消し”に回るとはチグハグ対応と言わざるを得ない。

 日銀は「アベノミクス」の大規模緩金融和策の一環として、今年3月まで「ETF=上場投資信託」を購入。保有額は時価で74兆円(同月時点)に上ると推計されており、国内上場株式の時価総額の1割近くを握る「日本企業の最大の株主」とも言われてきた。

 つまり、株が大暴落すると日銀の財務体質も大きく毀損されるわけで、“大株主”としてこれ以上の株価下落に歯止めを掛けようと動いても不思議ではない。SNS上で日銀に対して《何だか巨大な仕手集団のような》《インサイダーとは言わないけれど……》といった声が出ているのも、このためだ。

 内田副総裁の発言の真意や背景は不明だが、それにしても、わずか「0.25%程度」の政策金利の引き上げを巡って株価が大暴落したり、急浮上したり。ハッキリ言えることは、それだけ今の日本経済の実情は「脆弱」であり、「砂上の楼閣」であるということだろう。

  ◇  ◇  ◇

 ●関連記事【もっと読む】【さらに読む】では、政策金利をめぐる植田総裁の混乱ぶりを取り上げている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください