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少子化対策の切り札に? 世界初!AI予測モデルによる精液なしの男性不妊スクリーニング検査

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月8日 9時26分

 実際、2017年に世界保健機関(WHO)は不妊の原因の半分は男性側にあると報告している。ところが、男性不妊治療は、その診断に必要な精液検査のハードルが高いため、遅々として進んでいないのが実情だ。

■検査のハードルを下げられる

「現在、精液検査を行うには採精室や精液測定に必要な機器が必要で、不妊治療を専門とする医療機関以外では気軽に受けることはできません。また、精液は血液のように注射器で強制的に採取できるものでなく、正確な検査結果を得るには自慰行為によりご自身で1回射精分の精液を漏らさず採取していただく必要があります」

 検査とはいえ、医療機関で自慰行為をすることに恥ずかしさや屈辱感を感じる男性は多い。しかも精液検査で正確な結果を得るには、複数回の検査が望ましいとされ、人によっては禁欲期間が必要になる場合もある。

「毎日射精している人は恥ずかしがらず、そのこともお話しいただく必要があります。精液検査は採取精液を検査技師が顕微鏡や精子数計測用計算盤を用いるなどして調べます。まずは精液の外観の異常や出血の有無、色、量などを見ます。大切なのは精液の中にいる精子の数、運動性、運動速度、奇形の有無などです。これらは公的保険が適用される顕微鏡による肉眼的検査で行います。ただし、精子の運動性や運動速度などはヒトの肉眼的所見だけでは正確性に限界があります。そのため保険適用外である精子自動分析装置などを使う医療機関もあります」

 こうした精液検査の必要性を認識していても、一度検査を経験すると二度としたくない、という男性も多く、不妊治療の障壁になっている。小林医師はこうした男性不妊治療の障壁を解消するため、ソフト開発やデータ解析を行う民間会社との共同研究を行っていて、オリジナルのAI予測モデルの商品化を進めているという。

「AI予測モデルの商品化により、男性不妊の認識が変われば、ハードルの高い精液検査をより身近に感じてもらえるはず。それは不妊治療を前進させ、少子化対策の一助になるのではないか、と期待しています」

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