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なぜ阿部詩は号泣し、須崎優衣は嗚咽したのか…溢れ出る悲壮感はメダル連発スケボー選手と天地の差

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月8日 11時3分

 五輪競技に初採用された東京大会で、3つの金を含む5個のメダルを獲得したスケートボード日本代表は、今大会でも男子ストリートの堀米雄斗(25)が連覇を達成し、女子パークの開心那(15)が2大会連続の銀メダルを獲得。女子ストリートでは、吉沢心(14)と赤間凛音(15)がワンツーフィニッシュの快挙を演じるなど躍進した。

「象徴的なシーンは、女子パーク決勝前です。出場選手が一列に並んで、選手紹介のコールを待つ間、草木ひなの(16)は流れる音楽に合わせて両隣の選手と一緒に踊っていた。金メダルを目指した開もカメラに向かって笑顔でポーズ。メダル獲得、それも金メダルが至上命題とされる柔道やレスリングとは競技の成り立ちや歴史が違うとはいえ、スケボーの彼ら彼女たちに話を聞くと、まずこの場を『楽しむ』というメンタリティーです。もちろん結果を求めて努力はしているが、目標は練習の成果を試合で披露することで、メダルはあくまでその結果。指導者も選手が大技を決めると一緒になって大喜びし、およそ根性論やスパルタとは無縁です。だからこそ、五輪の大舞台でも結果を出せるのでしょう」(スポーツライター)

「俺も死ぬから、お前も死ね」

 多かれ少なかれ、日本代表として五輪に臨む選手には重圧がかかる。無責任なメディアの期待がそれを煽る。そんなプレッシャー軽減し、前向きな力に変えさせるのも指導者の仕事のはずだが、「ニッポン柔道の威信にかけて」と青筋を立てる〝伝統競技〟ではいまだ精神論が蔓延っている。

 柔道男子100キロ超級で五輪初出場となった斉藤立(22)は、準決勝に続いて3位決定戦にも敗戦。メダルなしに終わるや、泣きながら「日本に帰れない」とその責任をひとりで背負いこんだ。リベンジを期した混合団体でも精彩を欠くと、フランスとの決勝を前に鈴木桂治監督から、こう怒鳴られているのだ。

「なんのためにここに来てるんだ、なんなんだお前は。お前はよく『死ぬ気で』とか言うけど、全然、死ぬ気でやってねえよ。ここで、死ね。俺もあそこで死ぬから、お前も一緒に死ぬんだよ」

 ただでさえ、重圧に押し潰されている選手を物騒な言葉で追い詰める。これが、師弟関係の愛のムチだと思っているのなら、時代錯誤もいいところ。結果、斉藤は2度の一本負けを喫し、日本は銀メダルに終わった。

 畳やマットの上で、笑って踊るわけにはいかないが、味方からもプレッシャーをかけられては、選手はきつい。

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