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泥棒対策はザルの危険すぎる実態…「神様」ジーコは8000万円超の盗難被害、夫人は“嫌仏”で国外退避【五輪現地発 パリは今日もクレージー】#10

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月9日 9時3分

泥棒対策はザルの危険すぎる実態…「神様」ジーコは8000万円超の盗難被害、夫人は“嫌仏”で国外退避【五輪現地発 パリは今日もクレージー】#10

ジーコ氏(C)日刊ゲンダイ

【五輪現地発 パリは今日もクレージー】#10

 ボンジーア&ボンジュール! パリでは毎日熱戦が繰り広げられているけど、その裏では別な“祭典”も開かれている。それは泥棒たちの五輪だ。パリはもともとスリが多くて有名だけど、まさに五輪は稼ぎ時! 今、パリが泥棒天国になっているんだ。

 まずは開幕前、アルゼンチンのサッカーチームのキャンプ中に何者かが宿舎の部屋に侵入。携帯電話や腕時計を盗んでいった。被害は合計5万ユーロ(約810万円)以上だという。

 オーストラリアの自転車チームも盗難に遭った。泥棒たちはチームのバンの窓を割って、財布、競技用具、果ては理学療法士のマッサージ台まで取っていったらしい。幸い、一人の荷物にGPSがついていて、一部は取り戻せたみたいだけど、東京五輪BMXの金メダリスト、ローガン・マーティンはSNSに割れたガラスや荒らされた車内、公園に放置された荷物の生々しい様子を投稿している。自転車だけは別の場所に保管していたのは不幸中の幸いだった。

 危ないのは街中だけじゃない。盗難は選手村内でも起こっている。日本のラグビー選手は、結婚指輪や現金3000ユーロ(約49万円)が部屋から消えてしまったし、オーストラリアのホッケーのコーチは、カードを盗まれ、口座から1500豪ドル(約15万円)を引き落とされた。村内での盗難は少なくとも5件が発覚している。入り口には臨時警察署までつくってあるっていうのにね。

 その他にもカタール首長の娘がパリに向かう列車で、エルメスのバッグ11個を盗まれたし、ボクの知り合いの記者の多くも痛い目に遭っている。オーストラリアのTVスタッフなんて、強盗集団に襲われて命の危険を感じたって言ってたよ。

 極めつきは、我がブラジルサッカー界のスーパースターで、「神様」といわれ、日本代表の元監督でもあったジーコだ。彼はブラジル選手団のアンバサダーとしてパリに招待されているんだけど、7月25日に組織委員会が手配したタクシーでホテルへ移動する際、バッグを奪われてしまった。

 ジーコとサンドラ夫人が車に乗ろうとしている時、ボーイに扮した男に話しかけられ、みんなが気をとられているうちに、もう一人の仲間が荷物を奪ったようだ。中にはパスポート、ブレスレット、ダイヤのネックレス、ロレックスの時計、それに現金も入っていたみたい。

 被害総額はなんとケタ違いの50万ユーロ(約8110万円)! 特にジーコが残念がっているのはロレックスで、彼のお気に入りだった。公式アンバサダーに起きた事故だけに、マクロン大統領が直々にジーコに謝罪。ジーコ自身も「大切なのは健康と命」とコメント、しばらくは五輪を楽しんでいる様子だったけど、夫人の方がほとほとパリが嫌になってしまったようで、今は夫婦でイタリア・サルデーニャ島に滞在している。五輪中にパリに戻ってくるかは未定だ。

 それにしてもテロについては、めちゃくちゃ警戒しているのに、泥棒に関してはほぼザル状態なのは抜けているよね。

(Ricardo Setyon/ジャーナリスト)

▽翻訳=利根川晶子(とねがわ・あきこ) 埼玉県出身。通訳・翻訳家。82年W杯を制したイタリア代表のMFタルデッリの雄叫びに魅せられ、89年からローマ在住。90年イタリアW杯を目の当たりにしながらセリアAに傾倒した。サッカー関連記事の取材・執筆、サッカー番組やイベントで翻訳・通訳を手がける。「カカから日本のサッカー少年へ73のメッセージ」「ゴールこそ、すべて スキラッチ自伝」「ザッケローニ 新たなる挑戦」など著書・訳書多数。

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