レスリング藤波朱理の無敗記録を止めるのは…まさかの五輪4連覇・伊調馨?試合前の「不穏な」やりとり
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月9日 11時11分
藤波朱理(C)ロイター
【パリ五輪】女子レスリング53キロ級
6年間無敗を誇る藤波朱理(20)が圧倒的な強さで頂点に立った。
日本時間9日未明の女子53キロ級決勝で、ルシア・ヤミレス・ジェベス・グズマン(23=エクアドル)を10-0のテクニカルスペリオリティで金メダルを獲得。昨年の世界選手権準々決勝で序盤に大量失点した相手をねじ伏せ、中学時代から続く連勝を137に伸ばした。
試合後、父の俊一コーチとともに日の丸を掲げた藤波は「オリンピック最高!レスリング最高!やってきて良かった。父がいなかったら、ここにはいないので、一番感謝したい」と、喜びを口にした。
今後は連勝をさらに伸ばし、次回2028年ロサンゼルス大会での連覇を目指すが、無敗記録に立ちはだかるのは、いまだに現役引退を表明していない五輪4連覇の伊調馨(40)ではないか。
現在、藤波が所属する日体大でコーチを務める伊調は、選手と一緒に汗を流し、時にはスパーリングをこなすこともあり、藤波も胸を借りている。19年7月の川井(現金城)梨紗子との世界選手権代表選考プレーオフを最後に公式戦から遠ざかっているものの、技術、パワーとも依然として世界レベルを維持しており、藤波は「本当につよくて、馨さんからポイントを取れたら、53キロ級の世界のどの選手からも取れると思う」と話している。
8日のNHKの五輪中継番組にゲスト出演した伊調は藤波とのスパーリングについて「やるたびにお互い本気でやるので、喧嘩みたい」と説明。指導者ではなく、レスラーとしての血が騒ぐのだろう。現地の藤波と電話で連絡を取り合っているそうで、8日の試合前にアドバイスを求められた際には、「『準決勝を見て(対戦に備えて)分析しちゃうぞ』と伝えました」と、帰国後のスパーリングを心待ちにしている。
伊調は実戦から離れているとはいえ、日本協会に選手登録を行えば、国内大会に出場可能。エントリーは18歳以上からで、上限は設けられていられないだけに、支障は何もない。
53キロの新女王の快進撃を止めるのは、いまだ衰えを知らない伊調か。
◇ ◇ ◇
一方、須崎優衣がまさかの初戦敗退。結果的に敗者復活戦から銅メダルを掴んだが、海外選手相手に2014年から負け知らずの94連勝で五輪本番を迎えていただけに、世間に与えた衝撃は計り知れない。いったいあの瞬間、須崎に何が起きていたのか。関係者が指摘する敗因となった「悪癖」とは何か。
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